6番人気エヒト(牡5、森)が直線で抜け出し、4度目の重賞挑戦で待望のタイトルを手にした。
サマー2000シリーズの初戦を制し、勝ちタイムはレースレコードの1分57秒8。田中勝春騎手(51)は19年7月の函館記念(マイスタイル)以来3年ぶりのJRA重賞制覇。02年イーグルカフェ、03年ミデオンビットに続く3度目の七夕賞勝ちとなった。
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ベテランに迷いはなかった。「いけるぞ」。エヒトの田中勝騎手は4角でチラッと外を見た。何も来ない。手応えを信じた早めのゴーサイン。直線でステッキを入れ、後続を突き放した。2着ヒートオンビートに2馬身半差の快勝。レースレコードのおまけ付きだ。「久しぶりだな。これ」と鞍上は3年ぶりのヒーローインタビューにおどけた。
3歳時に2度コンビを組んで以来、久々の騎乗だったが、存分に能力を引き出した。大外枠からスタートして6、7番手で折り合った。「具合がいいと聞いていたし、外枠が良かったかもしれない。いつもはもっと後ろからいく馬だし、今までで一番いいスタートを切ることができたんじゃないかな。流れが速いのは分かったけど、グイグイ走っていたので馬に任せたよ」。関係者、スタンドのファンから送られた声援に何度も白い歯を見せた。「まだ緩いところがある。もう1段パワーアップしてくれたら楽しみ」。エヒトの将来性を頼もしそうに語った。
若手が台頭する中でデビュー34年目、51歳のベテランが存在感を見せつけた。「夏は得意。七夕賞は勝たせてもらっているけど、2着で取りこぼしたレースもあるからね」。自らの騎乗にはいつも厳しい言葉を向ける。昨年は七夕賞週を終えた後、10月中旬まで実戦の騎乗をセーブした。今週、記者がその点を質問すると元気な答えが返ってきた。「夏も乗るよ。まだまだ頑張るよ。暑いからな~。潤いたいな。よし、勝とうな」。まさに有言実行の七夕賞制覇だった。サマー2000&サマージョッキーズシリーズの主役に躍り出る勝利。カッチー健在だ。【木南友輔】
◆エヒト ▽父 ルーラーシップ▽母 ヒーラ(ディープインパクト)▽牡5▽馬主 平井裕▽調教師 森秀行(栗東)▽生産者 白井牧場(北海道日高町)▽戦績 21戦5勝▽総収得賞金 1億1760万2000円▽馬名の由来 本物(ドイツ語)

