阪神を相手にする対戦チームのミーティングは、3番森下、4番佐藤輝には本塁打を打たれないように注意を払い、対策を講じているはずだ。
先制本塁打を放った森下は、その警戒をかいくぐって打ったことになる。
特にそれが「1回」に飛び出したことが大きかった。交流戦明けのヤクルト戦は1勝1敗のタイできていただけに、クリーンアップから飛び出した一撃で先手を打てた。いわゆる「ナイスホームラン」だった。
森下は6月に打率を下げて調子を落としたが、まだ成長過程にいる彼の長所は数字ではないとみている。今後さらに上にいくには、モデルチェンジしていく必要がある。あくまでも現段階での強みは、勝負強さだと思っている。
だからこそ、チームが先取点を欲しかったシチュエーションで打った1発は効果的だった。ヤクルトに先にリードされるとイヤな流れになっていただけに、最下位に沈むチームには1点以上にダメージを与えた。
一方で1回裏のヤクルトは、赤羽の右前打、オスナが四球で、2死一、二塁のチャンスをつくった。ここで阪神先発の伊藤将が一塁走者のオスナをけん制でアウトにした。西武との交流戦で同じように佐藤輝がけん制死にあっていたから、やり返した形になった。
つまり阪神は、1回の攻防によって、がっちりと流れをつかんだ。ヤクルト相手にもたつくわけにはいかなかった。チームが置かれた立場はまだ計算の立つ状況ではないが、ここからは連敗を避けて、着実にカード勝ち越しを決めながら戦いたい。(日刊スポーツ評論家)




