火曜日という曜日は6連戦の初戦になりやすく、エース級の投げ合いが多くなる。それだけに今季途中から先発ローテーションを託された巨人の2年目右腕がどういうピッチングをするか、西舘本人とチームにとって重要な意味があった。
結果は6回を投げて2失点。合格点と評価していい。しかし、内容を見ると「もったいない。まだまだ伸びしろがある」という印象だった。
最初に指摘したいのは、初回2死二塁からの佐藤輝への打席だった。2アウトで二塁走者の近本はスタートが切りやすく、1本のヒットでホームインできる。フルカウントから捕手の岸田は内角にカットを要求した。西舘も構えたミットより厳しいコースに投げていた。見逃せばボールかストライクか微妙なコースだったが、ライトにタイムリー二塁打された。
打った佐藤輝を褒めるべきだろう。しかし、初回とはいえ一塁は空いているし、ヒットになれば失点の可能性が高い状況だった。内角を攻めるなら四球や死球になっても仕方ないという覚悟を持ってほしかった。
続いて悔いが残るのが3回、先頭打者・近本への1球と1死三塁となってからの森下への1球だった。近本は初球にやや高めに浮いたカーブを見逃しストライク。この球への見逃し方を見ると、真っすぐへのマークが強かったのだと思う。岸田は外角高めのボールゾーンにカットを要求したが、やや内側にコースが甘くなり、ライトに二塁打とされてしまった。
そして送りバントのあと、森下を打席に迎え、内野のシフトは前進守備だった。ここから5球、真っすぐを続けたが、打たれた真っすぐは高めだった。前進守備を指示したベンチの意図を考えれば、低めでゴロを打たせたいところ。しかし5球の真っすぐのうち、低めに投げたのは1球だけだった。
もちろん、フォローはできる。この日の西舘の投球は高めに浮いていたし、状況を考えればまだ序盤だった。パワーヒッターを迎えたのだから前進守備をとらなくてもよかった。それならばショートへのハーフライナーで得点は入らなかった。ただ、西舘のマウンドでのしぐさを見る限り、余裕がない。前川の打席で2ストライクから内角真っすぐを要求されるとプレートを外して投げにくそうにしているように見えた。まだまだ相手と勝負するというより、自分と勝負しているような印象を受けた。
経験も浅く、仕方がない部分でもある。ただ、火曜日に相手のエースと投げるなら、こうした部分を自分で考え、クリアしていかなくては勝ち星は付かない。このわずかに足りない部分をどうクリアするかが重要。「伸びしろ」としてレベルを上げていけるか、そのまま成長しないままなのか。見守っていきたい。(日刊スポーツ評論家)




