阪神は勝つには勝ったが、もう少しどっしりと構えた試合運びをしていったほうが、今後に向けてもっといい方向にチームが進むのではないだろうか。そう感じた阪神の1勝だった。

それはまず先発才木浩人投手(26)の代え時に言えることだった。確かに好調とは言い難いし、毎回ピンチを背負っているかのような投球ではあった。阪神ベンチが早めの継投を考えてもおかしくはない。

だが才木は失点したわけではなかった。特に先発ピッチャーにとって、梅雨から夏場にかかる季節のはざまの調整は難しい。ここは同点になるぐらいまで任せる姿勢を示しても良かったのではないだろうか。

それがエース格のピッチャーに対する気遣いというものだ。6連戦の“頭”だから、できるだけ先発を引っ張りたい。でもおそらく阪神サイドは2-0になった時点で、絶対に落とせないという心理がさらに膨らんだのだろう。

それで早めに逃げ込まなくてはいけないという気持ちが強くなったのではないか。投手起用に関していうと、巨人はできるだけ西舘を投げさせようとしたから、両軍の立ち位置は、まるで逆のように思えてくるようでもあった。

阪神は才木を5回で代えた後、6回から及川を投入する。そして2死一塁の場面になると、湯浅をつぎ込んだが、坂本に右二塁打を放たれて1点を返された。なにも慌てなくても良かった。

つまり阪神の継投は、巨人を追い上げている位置にいるかのようだったということだ。堂々と首位にいるわけだから、もっとおおらかに、落ち着いた戦い方であってもいいはずだ。

こちらにはその焦りのようなものが、打つほうにも影響しているように感じられてならなかった。逆に巨人の各打者のほうが、阪神よりバットが振れていた。それでも最後は勝ってしまうところに、今の阪神の不思議がある。(日刊スポーツ評論家)

阪神対巨人 5回表巨人2死二塁、泉口を三振に仕留め飛び上がる才木(撮影・藤尾明華)
阪神対巨人 5回表巨人2死二塁、泉口を三振に仕留め飛び上がる才木(撮影・藤尾明華)