分岐点に立つ日が刻々と近づいてきた。プロ野球ドラフト会議が23日に迫る。今年はどんなドラマが待っているのか。さまざまな思いを抱えながら指名を待つ8人の男たちを全4回にわたって紹介する。第1回は上智大の最速153キロ右腕、正木悠馬投手(4年=米レドモンド高)とBC神奈川の冨重英二郎投手(24=国際武道大)。

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日本に初めてキリスト教を伝えた宣教師フランシスコ・ザビエルが建学の起源にあたる上智大で今、初のNPB選手誕生の期待が高まっている。投手コーチがいない東都大学リーグ3部の同校から、スカウトが集まるほどの逸材が現れた。最速153キロの正木だ。投手を始めたのは大学1年。当初から140キロを投げる非凡さはあったが、独学の3年間で13キロも球速を伸ばした。

YouTubeの動画やインスタグラムの投稿を見て、練習に活用したことは数え切れない。時にはAIチャットサービス「チャットGPT」を利用し「球が速くなるにはどうしたらいい? 」と質問を重ねた。下半身の筋トレ量を増やしたり、投球練習でリリースポイントをより意識してみたり。気になったことは1度やってみるのが信条だ。

水産関係の父の仕事の影響で米国滞在は10年以上を数え、英語力はネーティブに匹敵する。ドジャースでプレーするマイケル・コンフォルトと同じレドモンド高時代にはスキーのクロスカントリーも行うなど、季節によって異なるスポーツに打ち込んだ経験が高い運動能力を育んだ。気になった動画を1度見ただけで、同じ動作ができるなど再現性が高く、普段の投手練習でも生きている。

背中や体幹を鍛えるデッドリフトは体重の約3倍にあたる240キロ、高さのある台に飛び乗り下半身を強化するボックスジャンプは150センチ、50メートル走は5秒7。人並み外れた身体能力を示す数値を挙げればキリがない。「自分の中では身体能力が生かせるのがピッチャーだと思っています」。プロ入りに支配下、育成のこだわりはない。「専門のコーチに教わったら、自分自身がどこまでできるのかを見てみたいです」。異端児に吉報は届くか-。【平山連】

◆正木悠馬(まさき・ゆうま)2002年(平14)11月19日、横浜市生まれ。小学2年から月島ライオンズで野球を始める。練馬ボーイズに所属し、その後、父の転勤で渡米。現地のレドモンド・リッパーズを経て、レドモンド高でプレーし、上智大で投手に挑戦。1年春からベンチ入り。4年春のリーグ戦で153キロを計測。目標の選手はフィリーズのウォーカー・ビューラー。179センチ、83キロ、右投げ左打ち。

上智大学から初のNPB入りを狙う正木(撮影・平山連)
上智大学から初のNPB入りを狙う正木(撮影・平山連)
上智大学から初のNPB入りを狙う正木(撮影・平山連)
上智大学から初のNPB入りを狙う正木(撮影・平山連)
上智大学から初のNPB入りを狙う正木(撮影・平山連)
上智大学から初のNPB入りを狙う正木(撮影・平山連)
志望届を出した上智の正木悠馬投手(左)と小出朗大(撮影・平山連)
志望届を出した上智の正木悠馬投手(左)と小出朗大(撮影・平山連)