大垣日大のエース・竹岡大貴投手(3年)が、延長10回タイブレークを含む188球を一人で投げ抜き、近江との激闘を制した。最後の1球を投じ、遊ゴロで試合が決まった瞬間、その場に膝をつき、聖地の土をに触れた。「やっと終わったという感情が大きかった」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。アルプス席へあいさつに行くと緊張の糸が切れた。「やっぱり苦しい場面が続いていたので、そこを抑えられたということでちょっと泣いてしまいました」とボロボロと涙をこぼした。

限界を超えた「楽しさ」があった。「夢だった甲子園のマウンドに立てて、疲れよりも楽しいという気持ちが勝っていた」と高揚感を隠さなかった。自己最多を大きく更新する188球。これまでの最多は昨秋の135球だったが、この日は次元が違った。序盤はスライダーを軸に組み立て、後半は「自分を助けてくれた」というカーブの精度が増した。2点リードの10回裏、押し出しで1失点し、なおも満塁という絶体絶命のピンチでは、もう握力がなくなっていた。それでもベンチが動かなかったことで奮起した。「自分を信じてくれていることが力になった」と、後続を三振と遊ゴロで押し切った。

高橋正明監督(43)は「最後はしびれましたね。竹岡は100点、200点じゃないですかね。最後まで代えることは考えられなかった」とたたえた。

エースで4番の二刀流でチームを引っ張る。その道のりは平坦ではなかった。1年夏には体調不良で体重が78キロから66キロまで激減。「一度に多く食べられない」という体質を克服するため、授業の合間や夜食など、間食を増やして地道に体を大きくした。冬場には過酷な走り込みで下半身を鍛え上げ、足を高く上げてもブレない投球フォームを確立した。そのスタミナと精神力が、延長戦での粘り強さへとつながった。

竹岡の力投に応えるように、バックも驚異の集中力を見せた。0-0の8回2死二塁のピンチでは、直前に守備に入った松井満詩左翼手(2年)が左飛を本塁へダイレクト返球。際どいタイミングで失点を阻止して、チームを勢いづかせた。無失策の鉄壁守備でエースを支えた。

名将・阪口慶三前監督の勇退を受け、コーチから24年に昇格した高橋監督にとって、悲願の甲子園初勝利となった。「こんなに幸せなことはない。一生忘れられないゲームになりました」と笑顔で話した。

◆188球 大垣日大・竹岡が188球で完投。1週間500球以内の投球数制限が導入された20年以降に限ると、24年夏の鳴門渦潮・岡田力樹が早実戦で記録した185球(9回完投負け)を上回り、春夏を通じて1試合の最多投球数だった。

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