<センバツ高校野球:帝京4-9中京大中京>◇24日◇2回戦◇甲子園
16年ぶり15度目出場の帝京(東京)が10年以来の春2勝を手にすることはできなかった。一時は同点に追い付いたが、タイブレークの延長10回に5失点。勝ち越しを許し、競り負けた。
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試合後、目代の目は涙で真っ赤だった。「打撃も守備でも…ミスしてしまって。自分の思ったようなプレーができなかった」。敗戦の悔しさが、涙になってあふれ出た。
持ち味の長打を期待され2番に抜てきされた。4点ビハインドで迎えた5回に1点を挙げ、なおも1死満塁で打席が回ってきた。コンパクトにバットを振り左翼線を破る適時2点二塁打。「全然満足していない。流れで打ってしまった。自分はフルスイングに、ライナー性で強い打球が持ち味。あんな打球じゃない」。内容に満足できなかった。タイブレークで迎えた10回表の守備では無死満塁で中越え適時二塁打を許し3失点。「あと1歩届かなかった」。勝利は遠かった。
フルスイングの原点は兄・康悟さん(25)との野球だ。兄は智弁和歌山に進学し18年センバツ準Vメンバー。スタンドで観戦した目代にとっては、幼少時から常に憧れの存在だった。コロナ禍では帰省した兄と毎日一緒に練習した。少しでも手を抜くと、兄の厳しい声が飛ぶ。「そうじゃないだろ! 立て! もっとやるぞ!」。泣きながらバットを振った。「智弁和歌山で学んだことを弟にも伝えたかった」と康悟さん。強い精神力とバットを振る力を身に付けた。
兄に面と向かっては言えなかったが、今大会中の取材では「兄を超えたい」と宣言していた。それは、センバツ優勝を意味していたが、達成できなかった。「次は夏。夏優勝が目標です」。涙を拭き前を向いた。【保坂淑子】

