おかわり弾でゴールデンウイークを首位奪還で締めくくった。西武中村剛也内野手(31)が初回に10戦ぶりの7号2ラン、6回に今季2度目となるマルチ本塁打の8号2ランと畳み掛けた。4番の猛打賞と5打点の活躍で、黄金週間の9連戦を7勝2敗で終え、約1カ月ぶりに首位に返り咲いた。
3日越しの有言実行弾だった。中村が初回1死二塁、浮いたスライダーを高々と打ち上げて左翼席へ。さらに6回無死一塁は左中間に大飛球を運んだ。初戦のお立ち台で「そろそろ打ちたいと思います」と宣言。前日5日の一戦はビデオ判定の末にファウルと判定されたが「ファウルだから幻じゃない」と意に介さず、仕切り直した。「本当は昨日打ちたかった。自分でも打てるとは思ってないが、言ったら盛り上がるかなと(笑い)。早めに出て良かった」。10戦ぶりの1発を感じさせない連発だった。
球団が開催した一足早い“母の日”イベントの一戦だった。「よくご飯を食べさせてもらった思い出があります」。感謝は忘れないが、繊細な感覚にはこだわった。選手はピンクのリストバンドなどを装着したが、中村は身につけなかった。「いつもつけないので(感覚的に)支障が出るかなと」。メーカーから支給されたバットが10グラム軽くても、手袋のテープの粘着力が微妙に弱まっても察知するという。豪快なイメージだが、繊細さが同居する。
後輩を再び突き放した。前日5日に大阪桐蔭の後輩、森に6号で並ばれたが7、8号で先を行った。「存在ですか…。かわいい後輩です。はっきり言ってそういう目で見ていない。でも開幕からずっと出ている。19歳でDH? 自分は32歳(シーズン)でサードを守ってますけどね」とイタズラっぽく笑った。
今季初の1試合5打点で30打点に両リーグ一番乗りし、打点王に浮上した。「今年は打点を取りたいと特に意識している。ホームランよりランナーをかえすこと」と勝負どころを繊細にかぎ取り、心の変化を見せている。チームは4月3日以来の首位に返り咲いた。「何とも思っていない。大事なのは最後」。7年ぶりの優勝の美酒をおかわりしたい。【広重竜太郎】
▼中村が2本塁打を含む3安打で5打点。中村の1試合2本塁打以上は4月2日楽天戦以来今季2度目で通算29度目。現役では高橋由(巨人)の30度に次いで2番目に多い。中村の今季昼夜別の成績を出すと
昼 3割3分8厘 6本塁打 23打点
夜 2割2分0厘 2本塁打 9打点
デーゲームでよく打ち、本塁打は8本のうち6本、打点も32点のうち23点がデーゲーム。中村の活躍で、チームもデーゲームでは13勝4敗、7割6分5厘の高勝率。



