執念が実を結んだ。阪神大和外野手(27)が2点適時打でシーソーゲームにケリをつけた。1点リードの6回無死満塁。3連打を受け救援したヤクルト秋吉を前に「追い込まれていたし、なんとか前に飛ばそう」と腹をくくった。カウント0-2でやって来た内角高めの140キロ。必死にボールを捉えるとハーフライナーが右前に落ちた。
2人の生還を、送球間に進んだ二塁からホッとした顔で見つめた。同じ神宮で挙げた4月1日以来の打点。この2点が勝負を決めた。実は試合前時点で左投手を19打数1安打、打率5分2厘と苦にしていた。それでも和田監督は「そろそろ目覚めてもらわないと」と左腕成瀬相手に先発起用してくれた。今季の先発出場は37試合中14試合。開幕スタメン男の意地だった。
俊介、伊藤隼、江越…。猛虎のセンターが日々替わるのも、自分の不振が発端だった。その間は、打撃の特訓だけでなく野球以外でも打開策を探した。甲子園の打席前に流れていた「宇宙戦艦ヤマト」のテーマ曲。それを、ゴールデンウイーク前にアップテンポの洋楽に替えた。「ノリのいい曲が良かったんです。音楽で決めた。ただただ、気分転換です」。ファンが親しみやすいようにと流してきた宇宙戦艦ヤマト。そこから離れるぐらい必死だった。
2回には中前打を放ち、今季2度目のマルチ安打。それでも和田監督は「まだまだレベルが低い数字なんでここからだろ」と厳しい言葉をかけた。「とにかく試合に出たときに結果を残すだけです」と誓った大和に、正中堅手奪回が見えてきた。【松本航】



