日本ハムのドラフト1位ルーキー有原航平投手(22)が進化を証明した。9日の「日本生命セ・パ交流戦」巨人1回戦(札幌ドーム)でプロ最長の6回2/3を投げ、2安打1失点で3勝目を挙げた。6回までわずか1安打に抑え、疲れの見えた7回に失点したものの、150キロ超の速球を軸に多彩な変化球を交え、相手打線を翻弄(ほんろう)した。ルーキーの快投でチームは13年から続いていた巨人戦の連敗を6で止めた。

 引き寄せた偉大な白星に、控えめに喜んだ。有原が、高く立ちはだかっていた「巨人」の壁を打ち崩した。「絶対に抑えてやるという気持ちで投げました」。6回2/3を投げ2安打1失点の快投。一緒にお立ち台に立った同郷の広島出身の中田から「本当に有原を褒めてあげてください」と称賛の言葉をもらい、照れくさそうに笑った。自身初連勝の3勝目。観衆2万5365人からの大きな祝福を受け、喜びに素直に浸った。

 芽生えていた使命感を、最高の形で実らせた。新人で巨人戦での白星は10年増井以来、5年ぶり。2連敗で本拠地に帰ってきたチームにとっては、巨人から2年ぶりの勝利で連敗を止めた。「とにかく気持ちを入れて、強い気持ちを持って投げました。何とか連敗を止められて良かった」。プロ入り最長回を投げ、最多タイの105球で立ち向かった。価値ある働きで快挙を呼び込んだ。

 しなやかに攻め立てた。プロ初登板からの過去3試合と投球内容を変更。厚沢投手コーチの「カーブを多く使え」という助言を受け、緩急を操った。「ある程度、力を抜いて強い球を投げようと思った」。最速152キロの直球と110キロ台のカーブ。カットボールやシュート、決め球チェンジアップなど多彩な変化球を織り交ぜ、タレントぞろいの巨人打線に立ち向かった。5回2死まで完全投球。登板3試合全てで1回に失点していた、立ち上がりの不安定さも解消した。

 成長の糧も見いだした。プロ最長7回。未知の舞台で制球は乱れた。先頭亀井へ内外角が定まらず、右翼フェンス直撃の二塁打。続く坂本に、ボール先行で四球を許した。なお1死二、三塁で長野への右犠飛で失点。直後に降板し、マウンドに集まったチームメートへ帽子を脱いで一礼しベンチへ下がった。「甘い球を逃さず捉えられた。次回までに修正していきたい」と収穫をかみしめた。

 栗山英樹監督(54)は「臆することなく、若者らしく打者を迎えるということは素晴らしいこと」と躍動した姿をたたえた。新たな魅力を見せつけた。「安打を2本に抑えられて、少しは自信になるかなと思います」。有原の進化は止まらない。【田中彩友美】