日本ハムの自力Vの可能性が消滅した。ソフトバンク14回戦で延長11回、サヨナラ負けを喫した。先発有原航平投手(22)が7回3失点の粘投。打線も一時は2点リードされる展開を終盤に追いついたが、4番中田翔内野手(26)が4打席連続三振を喫するなど、もう1本が出なかった。首位ソフトバンクの優勝マジック点灯阻止には勝利が条件だったが及ばず。ゲーム差は10・5に広がり、マジック38点灯を許した。
熱狂する敵地に、最後はのみこまれた。延長11回1死二塁。絶対的守護神・増井が、宝刀フォークをすくわれた。本多の打球が右翼で弾んだ。一塁付近にできた、もみくちゃの歓喜の輪。至近距離で見届けた中田は何度も振り返り、三塁側ベンチへ歩みを進めた。必勝が、優勝マジック阻止の唯一の条件だった大一番。壮絶に敗れ、1つの区切りを迎えた。残り47試合で10・5ゲーム差。優勝マジック38を献上した。
栗山監督 うちが連敗したことによって、そうなったわけだから。その責任を感じる。
がっぷり四つに組んだが、訪れた現実は厳しかった。前夜に大谷で完敗した衝撃を振り払うように、ルーキー有原が粘投。7回を3失点でしのいだ。5回までの2点ビハインドを6、7回に西川の長打2本で風穴をあけ、追いついた。「勝ち切れないことに関して、いろいろと考える」。指揮官が自問自答したのは、要所でのもろさだった。
中田が4打席連続三振を含む5打数無安打と完全に沈黙した。10回無死一塁では、ともに小技にたけた西川、中島が連続で犠打を成功できず、つかみかけそうな流れを手放した。「シーズンはまだまだあるし、諦めずにやっていくしかない」。主砲は気丈に前を向いたが、ソフトバンクの独走気配をさらに強くする急停止は続く。
球宴明けから今3連戦で5カード目。前カードのロッテ戦から3連敗で、この日で4カード目の負け越しが確定した。終盤へ向け、歯車がかみ合った昨季と対照的な状況に陥るムードが漂ってきた。断ち切るために、危機感は募る。
栗山監督 しっかりと受け止めなければいけない。悔しさ、申し訳なさ。みんな、しっかり感じてやってくれると思う。
不動の4番のスランプも原因で、低調な打線。先発陣も開幕前に期待していた浦野、上沢らが2軍で再調整中など、少し狂った青写真の影響も直撃。投手を中心にした守備力に、洗練された攻撃の戦闘スタイルも、この日の犠打などのミスで失いかけている。栗山監督は、この日の決戦を前にスローガンを明かしていた。「打たれても、殴られても、はいつくばっても…。やるしかない」。個々の再度の奮起が、わずかな希望の光をともす生命線になる。【高山通史】



