巨人がキューバの若き宝を手に入れた。キューバ代表のホセ・アドリス・ガルシア外野手(23)の獲得を21日、発表した。支配下登録で背番号は79、年俸1000万円(推定)。走攻守3拍子そろった外野手で、今季は国内リーグで打点王を獲得。将来は同国代表の中心的存在になると評価される逸材だ。5月中旬以降の来日予定で、当面は育成を主眼に置くが、チーム状況次第では今季中の1軍デビューの可能性もある。

 巨人は世界のお墨付きを得ている若き才能を獲得した。ガルシアは3月にキューバ代表として、大リーグ・レイズとのオープン戦で2安打を放ち、米球界からの評価も高めた。巨人も昨年12月に後藤3軍外野守備走塁コーチを視察に派遣するなど調査を進めてきた。当初は育成契約を検討していたが、高まる評価に支配下での契約に切り替え、合意に至った。堤GMは「肩と足は1軍レベル。将来的にキューバ代表の中心となる選手」と評した。打撃も国内リーグで昨季は最多安打、今季は最多打点を記録。「ロペス(現DeNA)のような中距離タイプ。身体能力は高い」とイメージを膨らませた。

 育成と戦力の両にらみで陣容に加わる。5月中旬以降に来日予定で当面は3軍で始動するプランだ。今月下旬には育成契約のドミニカ人投手2人も来日予定。多国籍軍は支配下9人、育成3人となる。「現地でアカデミーを作るのではなく、日本に連れてきて育てるイメージ。ガルシアは3年ぐらいいて、助っ人の位置付けに成長してくれれば」と長期的展望に立つ。

 一方で目前の戦いも見据えている。現在、首位快走に貢献しているギャレット、クルーズの野手にアクシデントが起きた場合、ガルシアが二の矢になる。「危機管理として駒をそろえることが大事」。外野手は長野、立岡が不動だが、正左翼手は空位。左肘手術からの復帰を目指すアンダーソンとともに、外国人枠が空けば一角を狙える存在だ。

 巨人はキューバと太いパイプがある。同国から亡命を経ず、直接入団する「正規ルート」として14~15年にプレーしたセペダ、今季も所属するメンドーサに続き3人目。国内リーグのプレーオフが例年4月中旬まで行われ、キャンプも含めた日本プロ野球の日程と重なる問題は悩みの種だった。だが球団は来季から国内リーグが1カ月前倒しされる情報も入手。来日遅れのリスクが軽減された。

 海を越える23歳は決心を携える。「強い決意でキューバを離れ、巨人軍で新たなステージに挑戦します。日本の野球の高い技術と緻密なプレーで実力を向上させ、ファンの皆さんを驚かせるような選手になりたいと思います」とコメント。午前中に堤GMは高橋監督に報告し「(監督は)『使えそうですね』と声は明るい感じだった」と明かした。近未来、由伸巨人を支える力に成長することが期待される。【広重竜太郎】

<ホセ・アドリス・ガルシア外野手アラカルト>

 ◆生年月日 1993年3月2日生まれの23歳。キューバのシエゴ・デ・アビラ出身。

 ◆サイズ 身長183センチ、体重84キロ。右投げ右打ち。

 ◆打点王 キューバ国内リーグのシエゴ・デ・アビラに入団し11年1月にデビュー。昨季はリーグ最多安打(110)、今季はリーグ最多打点(71)を記録し、中心選手としてチームの2季連続優勝に貢献した。5年間の通算成績は263試合出場で打率3割7厘、28本塁打、139打点。

 ◆代表でも活躍 昨年7月にカナダで開催されたパンアメリカン大会で初のキューバ代表入り。主に1番で起用され、デスパイネ(ロッテ)に並ぶチーム最多タイの3本塁打を記録した。また、今年3月には大リーグのレイズとの親善試合のメンバーに選ばれ「5番右翼」で出場。13年に17勝を挙げたレ軍の左腕ムーアから2安打を放った。

 ◆兄はメジャーの4番 8歳年上の兄アドニス・ガルシア(31)は11年に亡命し、現在はブレーブスに所属。昨季の5月にメジャーデビューし10本塁打をマーク。今季は開幕戦に「4番三塁」で出場するなど中軸を任されている。

 ◆巨人の大量助っ人 11年には支配下登録選手が11人、育成選手が2人いた。11年は開幕時に支配下登録が10人(投手8人=グライシンガー、ゴンザレス、トーレス、アルバラデホ、バニスター、ロメロ、林■豪、黄志龍、野手2人=ライアル、ラミレス)、育成選手が2人おり(李■鴻、ブライト)、シーズン途中で支配下にフィールズ内野手が加わった。

 ◆外国人選手の登録 支配下選手登録の人数制限はなく、出場選手登録は4人まで。同時に投手4人、または野手4人を出場選手登録することはできない。FA権を取得した外国人選手は日本人選手扱いとなり、外国人選手枠から外れる。

※林■豪の■=弁のムが羽の旧字体

 李■鴻の■=日の下に立