阪神福永春吾投手(25)が0-0の8回から登板し、6者連続三振を奪う快投を披露した。8回から4番手でマウンドへ。

先頭の8番岡島を見逃し三振に仕留めると、続く代打松本も見逃し三振に。2死で迎えた1番オコエは3球で追い込むと、最後は内角高め直球で空振り三振に斬った。

9回もマウンドへ。任された2イニングを全うした。先頭の2番渡辺佳を見逃し三振。続く3番辰己、4番内田はフォークで連続空振り三振を奪い、6者連続三振で試合を締めた。

「今日は強くコースに投げるピッチングを意識しました。それがしっかりできたと思います」

思い切って内角を突く投球が、結果に表れてきた。今リーグで取り組む課題には「内角の使い方」を挙げている。前回登板した20日サムスン戦では、7割の力で投げ、コースを低く意識したが「前に飛ぶ打球が多かった」と反省。「今日はラインだけ間違わずに強く、ということを意識しました。極力、力を入れて全力で、です」。この日の最速は152キロを計測。力ある直球で打球を前に飛ばすことを許さず、相手打線を手玉に取った。

今季1軍登板は3試合。2軍戦には44試合に登板し、昇格の準備をうかがってきた。変化球は主にスライダーを主体としていたが、同リーグはスライダーを封印中。フォークの精度を上げるために、直球、フォークだけで投球を組み立てている。「フォークで三振を取るというのはすごく意識している。フォークは徐々に良くなってきた。今日は特に抜けるボールがなかった。低く決め切れたのはよかった」。

今季の阪神は島本や守屋という「矢野チルドレン」が1軍で台頭した。福永も、身近な仲間の活躍に「自分の持っている力を出し切ったら、というのは思いました」と刺激を受けた。

平田2軍監督も「いろいろ試している中で、今日は球に力があったし、フォークも良かった」と賛辞を送った。

来季の飛躍を目指す福永は「(投球スタイルは)真っすぐが大前提なので。真っすぐをしっかり強く投げられるようなトレーニング。それから、細かい技術的なところを見つめ直していきたい」と1歩ずつ進む。

虎の強力救援陣に、また1枚のピースが加わりそうだ。