広島佐々岡真司監督(52)が2日、新型コロナウイルスに感染した元近鉄、日本ハム、楽天監督の梨田昌孝氏(66=日刊スポーツ評論家)の体調回復を願った。年齢は14歳離れているが、2人は同じ島根・浜田市出身。浜田高出身の梨田氏と浜田商高出身の佐々岡監督は、数少ない浜田出身のプロ野球のよしみで、古くから親交がある。1日のニュースで梨田氏の状態を知ったという指揮官はマツダスタジアムで取材に応じ、「まさかというか、ただただびっくりしています。状態が心配です」とショックを隠せない様子だった。

梨田氏は、1月16日に浜田市内で行われた佐々岡監督の就任祝賀会に大阪から駆けつけてくれたという。2度のリーグ優勝を果たした名将から激励を受け、「わざわざ(浜田まで)来てくださった」と心から感謝。「とにかく早く元気になって、回復してほしい」と神妙な面持ちで快方を祈った。2月の沖縄春季キャンプを視察に訪れた同郷の先輩から、あらためて励ましの言葉をもらい、決意を新たにしていたところだった。

NPBで初めて阪神の3選手が感染したことから、ウイルスの猛威が球界にも浸透している。指揮官は複雑な心境を抱えながら、マツダスタジアムで行われた全体練習を見守った。3日の12球団代表者会議の結果次第では、紅白戦を予定している4日以降のスケジュールも変更せざるを得ない。先行きが見えない状況に対応していくしかない中、何より大先輩の早期回復を待ちわびている。【古財稜明】

◆梨田昌孝(なしだ・まさたか)1953年(昭28)8月4日生まれ、島根県出身。浜田から71年ドラフト2位で近鉄入団。強肩強打の捕手として活躍し、ベストナイン3度、ダイヤモンドグラブ(現ゴールデングラブ)賞4度受賞。88年限りで引退。93年にコーチで近鉄復帰。00年に監督に就任し、01年リーグ優勝。08年から日本ハムを率い、09年リーグV。11年に勇退し、16年から18年途中まで楽天の監督を務めた。現役時代は178センチ、80キロ。右投げ右打ち。