離島の鉄腕には大きなモチベーションがある。ソフトバンクのドラフト4位・大野稼頭央投手(18=大島)が1日、地元での凱旋(がいせん)登板を誓った。

鹿児島・奄美大島出身。ソフトバンクは毎年鹿児島開催があり、今季も4月9日に平和リースで西武戦が予定されている。「平和リースは自分を飛躍させてくれた場所。一番経験を積んだマウンドです」。

それもそのはずだ。同球場では、21年秋の九州大会で準優勝。県立の大島がセンバツ出場を決めた思い出深い球場だ。さらに高3夏の地方大会では、6試合で49イニングを1人で投げ抜いた。平和リースのマウンドには、大野の汗が染み込んでいる。「あの球場に行くと自然と心が奮い立ちます。いつか鹿児島の人たちに自分の頑張りを見てもらいたい。もう1回、平和リースで投げたいです」。プロ入り後も、故郷への愛は変わらない。

春季キャンプは福岡・筑後市のファーム施設で行っている。この日は初日からブルペン投球を行い、30球を投げ込んだ。「アピールじゃないですけど、先に投げたくて」。見守った森山良二3軍監督(59)は「まだまだこれからでしょうけど、高校の中でも(良い)。キレは感じました」と評した。

最速146キロ左腕。将来は必ず、鹿児島のマウンドに戻ってくる。【只松憲】

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