出場停止処分を受けてロウ女子王座挑戦権を事実上剥奪されたベッキー・リンチ(31)が逮捕される事態に陥った。

同王者ロンダ・ラウジーがナタリアと組み、ライオット・スクワッドとのタッグ戦に臨んでいた終盤だった。一本背負い投げでサラ・ローガンを投げ飛ばしたラウジーはパイパーズ・ピットから腕ひしぎ逆十字固めに入る必勝パターンに持ち込んだ時、ヒザ負傷中のリンチが松葉づえのまま乱入。ラウジーとナタリアを襲撃してしまい、制止に入った警察に手錠をかけられて逮捕。そのまま連行されてしまった。

度重なるリンチの襲撃に嫌気を刺したのか、ラウジーは最高権力者ビンス・マクマホン会長を呼び出した。代わりに登場したロウコミッショナーのステファニー・マクマホンに対し、リンチの出場停止処分の解除を要求。さらに最大の祭典レッスルマニア35大会(4月7日、米ニュージャージー州)で控える防衛戦の挑戦者にシャーロット・フレアーにリンチも加えた3WAY戦を懇願した。

しかしステファニーからは「ベッキーの逮捕は自業自得。復帰を認めるわけにはいかない」と拒絶されると、ラウジーは命令口調で再び3WAY戦を要求した。エスカレートした口論を受け、ステファニーには「私は上司よ。あなたは私の下で働いているの」と威圧されると、ラウジーは激怒。「ベスト同士が戦うからこそ、ロウ女子王座は意味がある。このベルトはもう意味がないわ」と告げ、王座返上の意向を示すようにベルトを置き、リングを立ち去った。最大の祭典を控え、ロウ女子王座戦線が迷走を始めた。