全勝対決となった幕下の優勝争いは、幕内上位経験者で25場所在位した東5枚目の蒼国来(34=荒汐)が、十両1場所経験の高立(26=木瀬)を引き落としで下し、7戦全勝で貫禄の優勝を決めた。

今年3月の春場所で右足甲を骨折。5月の夏場所でも同じ部位を3カ所も骨折した。そのため9月の秋場所では約9年ぶりとなる幕下に陥落。その秋場所は4勝3敗で勝ち越し、そして今場所も「(回復具合は)6割ぐらい」という状態ながら、勝負どころを知るベテランならでは相撲で白星を7つ並べ続けた。

来年1月の初場所で、3場所ぶりに十両へ戻る。取組を終えると開口一番「これで戻れる」と口にした。「1場所でも早く戻りたい気持ちだった。今日は(優勝を)意識していた」と、文句なしに関取復帰を決めホッとした表情だった。

「序ノ口も去年の十両も九州」と話す験の良さを味方にした。初めて番付にしこ名が載り序ノ口デビューとなった03年にいきなり優勝。初めての幕下(04年)、新十両を決めた(10年)のも九州場所。昨年は十両優勝も果たした。「もう1回、幕内に戻ることを考えて、前に出る稽古をしたい」と、痛みが残る右足と相談しながら復活の道を歩む。