大相撲初場所の初日を翌日に控えた12日、会場の東京・両国国技館で土俵祭が行われた。15日間の安全を祈願する恒例行事で、八角理事長(元横綱北勝海)や3横綱をはじめ三役以上の力士らが参加した。

進退問題が浮上している横綱稀勢の里(32=田子ノ浦)は、土俵祭後に報道陣に対応し「いよいよですね」と切り出した。11日に、初日が小結御嶽海、2日目が西前頭筆頭逸ノ城との対戦が発表され、気持ちの高ぶりなどを問われたが「普通通り」と、冷静に話した。

今場所は東の正位に就き、全力士の中で番付最上位で迎える。17年3月の春場所で横綱に昇進以降、初日に敗れた5場所はすべて途中休場に追い込まれた。鬼門の初日の重要性を問われると「全部大事だと思うし、しっかりと流れをつくりたい」と話した。15日間どれも落とせない思いと、序盤で勝って流れをつくりたい思いの、双方の気持ちをのぞかせた。

今場所は十両以上に休場者は不在。役者が勢ぞろいの中、存在感を示したいところだが「そういう気持ちではないけど、やれることを、しっかりとやって、力を出していく」と、力を込めた。

新年最初の本場所だけに「ここからという気持ちはある」と、昨年は皆勤が1場所に終わっただけに巻き返しへの思いは強い。平成最後となる両国国技館での本場所となることについては「集中してやりたい」。堂々と胸を張って決意表明した。