大相撲の井筒親方(元関脇豊ノ島)が26日、37歳の誕生日を迎えた。代表取材に応じ「めでたいとも思わないし、あんまり変わらんよ。(自宅で)朝はハッピーバースデーの飾り付けしてくれていたから、『ありがとう』と言って、という朝でした」と明かした。

4月に引退したばかりの新米親方は現在、部屋付きの親方として後進の指導にあたっている。「親方」と呼ばれることにはまだ慣れない様子で「部屋でも若い子は『豊ノ島関』って呼ぶし、自分も反応してしまう。稽古場にも井筒の木札がまだできていないし、部屋のメンバーで自分だけいないみたい。中ぶらりんな感じだね」と話した。

稽古場では毎日、まわしを締めて指導しているという。現役時代は体を休めるため稽古場に降りない日もあったが「休むと部屋の子たちに対して責任を達成できていない気持ちになる」と、立場が変わり行動も変わった。力士には積極的に言葉をかけていく指導法。「もともと言いたい方。相撲でも今の相撲はこうだからって。口出ししたいタイプ。指導は好き」。小兵の技巧派で鳴らした実力を伝えていく。

稽古場以外では、減量に励む日々を送っている。昨年11月の九州場所で167キロだったが、今は20キロ落として147キロ。夜は炭水化物の摂取を控え、サラダや高知の実家から送られる豆腐を食べているという。膝の痛みがあるため、稽古では胸を出せない。代わりに自宅から稽古場まで1時間歩いて汗を流す。最短で来年10月に断髪式を行う意向もあり「そこまで、あんまり体重も落としすぎないようにと思っている。はかまとかぶかぶかじゃ格好悪いし。140キロ切るまで、130キロ台くらいにはキープしたい」と計画中だ。

引退時は悲しんでいた長女の希歩ちゃん(7)も、徐々に受け入れてくれた。「最初は豊ノ島と言えなくなるのが嫌だったみたいだけど今は『父が親方なんだよ』って友達に言ってるみたい。切り替えてくれたなと。(引退を伝える時は)僕も妻(沙帆夫人)も話を何回もした。ああいう形での引退は納得いかないみたいだったけど『体壊れたらどうするの?』って話したら泣きながら『分かった』って許してくれた。肩の荷が下りた感じだった」。そんな愛する妻、愛する娘と、最近は人気アニメ「鬼滅の刃」にはまっている。「アニメで見て、漫画で見て。娘は毎晩、鬼滅の刃を歌っている。家にいるのはストレスにならない。自粛生活で体をゆっくりさせてもらっています」。家族との充実した時間を過ごしている。