15戦全敗からの再スタートを切る。大相撲十両の照強(27=伊勢ケ浜)が5日、東京・伊勢ケ浜部屋で稽古し、熱海富士や錦富士と約30番相撲を取るなど調整を重ね「だいぶ仕上がってきているけど、まだ前に出れてない」と課題を口にした。8日初日を迎える大相撲初場所(東京・両国国技館)での奮闘を誓った。

昨年11月の九州場所は15戦全敗。幕内の同一場所での15戦全敗は、91年名古屋場所の板井以来で31年ぶり5人目だった。一体何があったのかと尋ねると、持病の糖尿病の影響を明かした。

照強 場所で勝てなくなっていくうちに、体に力が入らない感じがしました。取組中にできていたことができなくなっておかしいなと思っていたら、血糖値が400くらいまで上昇していました。場所中はインスリン(注射)を打っても下がらなかった。九州から帰って薬を変えたりして改善しました。

体の異変を察知していながら、最後まで出場することを選んだ。15日間全敗という不名誉な記録を残したが、本人は「全敗して悲観的になっても、何も始まらない。けがをして15戦全敗なら次の場所にも影響が出るけど、自分の場合はそうじゃないから」と前向きな姿勢を崩さない。「良い記録も悪い記録も土俵に立ち続けたから打ち立てられるものですから」と力説した。

19年初場所以来となる十両として臨む場所が目前に控える中で、「いつも通りけがなく頑張ります」と意気込む。今年の目標については「また上で相撲が取れるように」と幕内復帰を目指す決意を述べた。【平山連】