大相撲で最高位小結の遠藤(35=追手風)が、現役引退を決意したことが分かった。27日、関係者が明かした。日本相撲協会から近く正式に発表される。遠藤は7月に右膝、9月に左膝と、慢性的に痛めていた両膝を相次いで手術。幕内だった5月夏場所を9勝6敗と勝ち越したのを最後に、2場所連続全休中で、九州場所(11月9日初日、福岡国際センター)は東幕下3枚目に番付を下げていた。今後は年寄「北陣」を襲名し、追手風部屋付き親方として後進の指導にあたる。
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コロナ禍で3年ぶりに開催された23年以降、2月に千葉・成田山新勝寺で行われる「節分会」で、遠藤が思いの丈を語るのが、毎年の恒例となっていた。特に場所中などは、多くを語ることはなかったが、そこで1年分、まとめて話していると思うほど熱く語った。
印象的な言葉は数知れない。「相撲に対する姿勢、気持ちは年を重ねても変わっていません」。白鵬戦後の支度部屋で約1時間、鼻血が止まるのを待つ間、大部分の時間で歯を食いしばっていた。痛いからではない。悔しいからだ。「遠藤らしい相撲を取りたいし、取るようにやっていきたいです。もっと稽古がしたいです」。稽古したくても、両膝の激痛で稽古できないジレンマ。悔しさが募るから歯を食いしばってきた。
能登半島地震直後の昨年初場所では、故郷にゆかりのあるデザインの化粧まわし5種類を着けて土俵入りした。「そういったことしかできないですから」。故郷を思う姿勢と、真っ向勝負の取組で、1人でも多くの被災者に元気を届けたい-。口数の少なさとは裏腹に情熱のかたまりのような力士だった。【高田文太】
◆遠藤聖大(えんどう・しょうた)本名同じ。1990年(平2)10月19日、石川県穴水町生まれ。小学1年から相撲を始める。金沢学院高-日大。日大では4年時にアマチュア横綱に輝くなど11冠。13年春場所で幕下10枚目格付け出しで初土俵。関取に昇進した同年名古屋場所を14勝1敗で十両優勝。史上最速の所要3場所で新入幕。出世が早く、まげを結えない「ざんばら髪」で注目された。初土俵から8場所目の14年夏場所で横綱鶴竜を破って初金星。18年夏場所で最高位となる小結に昇進。得意は左四つ、寄り。三賞は殊勲賞1回、敢闘賞1回、技能賞4回。金星7個。通算成績は527勝494敗88休。家族は夫人。184センチ、144キロ。血液型AB。

