今週から登場するのは、今年テレビ朝日に入社した新人の下村彩里アナウンサー(24)です。研修を受けながら、毎週金曜日は「報道ステーション」(月~金曜午後9時54分)の気象情報担当として奮闘する日々を送っています。

かき氷をおいしそうに頬張るテレビ朝日の下村彩里アナ(撮影・小沢裕)
かき氷をおいしそうに頬張るテレビ朝日の下村彩里アナ(撮影・小沢裕)

入社4日後の4月5日、「報ステ」お天気担当としてデビューした。周囲から「楽しんで」とアドバイスをされたが、「足が震えるくらいでした」と緊張ぶりを苦笑交じりに振り返る。「やるしかないという思いで臨みました。慣れないヒールを履いて、慣れないすてきな衣装を着させていただいて。今も全然なんですが、4カ月前のあの日は、とにかく人形みたいだったと思います(笑い)」。

気象コーナーは、予報士の喜田勝氏とトークしながら進行する。しかし当初は「自分が出過ぎたら喜田さんが話せない」と萎縮していた。「話を受ける時のリアクションがすごく薄くなってしまっていて。(小声で)『あ、そうなんですね』という感じで」。

そんな時、先輩の久保田直子アナ(37)から「喜田さんが話しやすい空気を作るのが、あなたの仕事だよ」と助言された。視界が開けた。「あ、そうかと。自分の役割をすごく考えさせられました」。

研修では、先輩アナから厳しい言葉をかけられることもある。それでも「その時は、ショックなんですけど、厳しいことを言ってくださるほうがうれしくて」とアドバイスを胸に留め置く。短時間の準備で力を発揮する先輩たちの姿を見て「これは、いつになっても一人前になれないな、と不安に思うこともあります。でも、それを向上心に変えて、そういう言葉を1個1個、受け止めて頑張りたいと思います」。

最近は「アナウンス部でやっと自分を出せるようになってきた」と表情を緩める。入社間もない頃は、「ホントすいません、研修の身です、っていう感じで視野が狭かったんですけど、先輩方から『自分の殻にこもるっていうのは、仕事上も良くないよね』と言われて。もっともっと、自分を出していいんだなと。やっと気持ちを前向きに切り替えられてきたなって」。先輩に支えられながら、今は何でも吸収の時期と感じている。【遠藤尚子】(つづく)

◆下村彩里(しもむら・さいり)東京都生まれ。日本女子大家政学部を卒業後の今年、テレビ朝日入社。16年「準ミス・インターナショナル」選出。173センチ。