13日に亡くなった女優野際陽子さんについて、俳優高嶋政伸(50)がコメントを発表した。野際さんと高嶋は、TBS系「ダブル・キッチン」、テレビ朝日系「DOCTORS最強の名医」などで共演している。

 1990年に初めて共演させて頂いてから、約27年間、母と子、叔母と甥っ子、といった役で、本当に多くの作品でご一緒させていただきました。特に「ダブル・キッチン」の花岡忍役、「ドクターズ」の森山卓役は野際陽子さんが私の母役でなかったら、叔母役でなかったら、私は決して演じられなかったと思います。

 野際さんの芝居のアドリブ、笑い声、ため息。その1つ1つの絶妙な間合いが、役作りに悩んでいる私を後押しし、私が演ずるべきキャラクターへと導いてくださいました。

 また、芝居の空き時間に野際さんとジャズを歌ったり、『あなたは、本当にコケ方がうまいわね。日本一のコケ役者よ』と笑いながら褒めてくださったり、『仕事が終わって、家に帰るでしょ?赤ワイン飲みながら、新聞をなんとなーく読むの。この時間が一番大事なのよ』とさらりとリラックス法を教えてくださったり、と芝居以外でもまるで親子のように時を過ごさせていただいたように思います。

 うまく言葉が出ませんが、これから、私にとっての芸能界の母である野際陽子さんへの唯一の恩返し、親孝行は、やはりお客さまが喜んでくださる芝居をし続けることしかないと思います。これに尽きると思います。

 野際陽子さん、お母さん、叔母さん、本当に出会えて良かった。本当にありがとうございました。

心からご冥福をお祈り致します。