今月11日未明に容体が急変した。大山は、砂川さんの最期をみとることはできなかった。葬儀所で、ひつぎの中にいる砂川さんと対面したが、しばらくして「もう帰る」と会場を後にし、通夜、告別式は欠席。夫の死をどこまで認識したかは不明だという。

 砂川さんは高校時代から映画に出演するなど、芸能活動を続け、1961年(昭36)にNHKの子供番組「うたのえほん」(後に「おかあさんといっしょ」と併合)で初代「たいそうのおにいさん」に起用され、人気を集めた。64年に番組の共演が縁で大山と結婚。80年から日本テレビ系「お昼のワイドショー」の司会を6年間務め、その後は俳優として舞台やドラマに出演した。

 おしどり夫婦として知られたが、大山は26年間演じた「ドラえもん」を05年に降板し、08年に脳梗塞を発症。12年に認知症と診断された。砂川さんは15年5月に会見し、大山の認知症を公表し、自らも13年に初期の胃がんで手術を受けたことを明かした。同年10月に出版した著書「娘になった妻、のぶ代へ」で最初の妊娠が死産で、72年に生まれた長女が生後3カ月で亡くなったことをきっかけに「寝室を別にして、いわゆる夫婦生活がなかった」と、40年間のセックスレスも告白したことが話題になった。