乃木坂46生駒里奈(22)の卒業コンサートが22日、東京・日本武道館で開催された。ゆかりのある曲や最新シングルなど、6年8カ月の活動をたどる構成。クールな曲からアイドルソングまで次々と披露した。さまざまな表情と幅広いパフォーマンスを見せ、ラストステージをエンジョイ。1万2000人を魅了した。

 ダブルアンコールの「君の名は希望」で、生駒はメンバー1人1人からバラを渡された。次々と抱きしめられ、頭をなでられ、キスをされた。みるみる顔が赤くなった。「本当に思うのは『みんな、ありがとう』ってこと。乃木坂46に入ってよかった。みんなと出会えて、本当によかった」と泣きじゃくった。それまでステージではつらつとパフォーマンスしていた22歳が、15歳で加入した当時の泣き顔に戻った。メンバーから「赤ちゃんみたい」と言われ、照れ笑いした。

 12年2月発売のデビューシングル「ぐるぐるカーテン」から5作連続でセンターを務めた生駒は、常に先頭に立って「乃木坂らしさ」を開拓してきた。近年は「清楚(せいそ)で上品」のイメージが定着した乃木坂46だが、かわいいアイドルソングからクールな楽曲まで、振り幅は大きい。6年8カ月で磨かれたパフォーマンスのバリエーションは、折り紙付きだ。デビュー前から番組で共演するバナナマン日村勇紀(45)からも「ステージで踊っている生駒が一番」と太鼓判を押されている。

 この日の曲目や演出は、生駒がスタッフと話し合った上で決めたという。新曲「シンクロニシティ」(4月25日発売)収録曲の「Against」や代表曲「制服のマネキン」でクールなダンスを決めれば、「おいでシャンプー」「指望遠鏡」で無邪気な笑顔を見せた。AKB48兼任時代に歌った「心のプラカード」なども披露。幅広いジャンルの楽曲で躍動した。

 白石麻衣(25)西野七瀬(23)生田絵梨花(21)らメンバーからメッセージを送られると、「この人たちじゃなかったら、私は今ここにいないです」と涙を流して感謝した。ラストは「お疲れさまでした! 超楽しかったです。皆さんも楽しかったですか?」と尋ね、大歓声を浴びた。「乃木坂46の顔」としてさまざまな表情を見せ続けた少女は、5月6日の千葉・幕張メッセで行われる握手会イベントをもって、グループから去る。【横山慧】