日本テレビ系「笑点」の司会などで知られた落語家桂歌丸(かつら・うたまる)さん(本名・椎名巌=しいな・いわお)が2日午前11時43分、慢性閉塞(へいそく)性肺疾患のため横浜市内の病院で亡くなった。81歳。肺気腫などで入退院を繰り返し今年4月から入院していた。

 桂歌丸さんは、66年5月に番組がスタートした日本テレビ系「笑点」(日曜午後5時半)の「顔」だった。第1回からレギュラー出演していた。スタート当時は若い落語家による番組で、司会と大喜利レギュラーの平均年齢は28歳。真打ちは立川談志さんと5代目三遊亭円楽さんだけで、歌丸さんを含め、残り4人は二つ目だった。

 69年4月、談志さんとメンバーの演出方針が異なり、メンバーが全員交代したが半年で復帰。その後大喜利メンバーとして定着した。06年、5代目円楽さんの後を継いで5代目司会者に就任、10年間務めた。歴代司会者は談志さん、前田武彦さん、三波伸介さん、5代目円楽さん。

 16年5月22日の生放送をもって勇退した。歌丸さん司会の最終回は、視聴率27・1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録するなど、注目された。勇退後は終身名誉司会として「もう笑点」(日曜午後5時25分)に出演するなど、番組に関わり続けた。

 「笑点」大喜利メンバー最古参の林家木久扇(80)は歌丸さんが死去したこの日、本人の希望でコメントは出さなかった。

 ◆「笑点」で共演した林家こん平(75) 歌丸御師匠のご訃報に際し、謹んでご冥福をお祈り致します。週末に頂戴したお中元のお礼のお電話を娘がしようと思っていたところでした。突然の訃報で驚いております。私の闘病中には見舞っていただき、会うたびに「こんちゃん頑張って!」と目頭をおさえながら励ましていただいたのに残念です。笑点という番組でご一緒させていただき、たくさんの思い出がありますが言葉にできません。本当に長い間ありがとうございました。

 ◆日本テレビ系「笑点」の福田一寛プロデューサー 回答者としての40年間、司会者としての10年間、その存在はまさに「ミスター笑点」と呼ぶにふさわしい番組の大功労者であり、感謝の念にたえません。