上田慎一郎監督「スペアク」公開31日で聖地初満席

上田慎一郎監督(35)の映画「スペシャルアクターズ」の舞台あいさつが17日、都内の池袋シネマ・ロサで行われた。10月18日の初日から1カ月が経過したこの日、映画「カメラを止めるな!」の“聖地”として知られる同劇場には、チケットを求める観客の行列ができ、スクリーン1の193席が公開後、初めて満席となった。上田監督は「公開31日目にして、初めて満席になりました。皆さん本当に、ありがとうございます」と観客に感謝した。

上田監督は、公開3日目に同劇場で舞台あいさつした際は、半分強の100席しか埋まっていなかったと振り返った。その上で「31日間、1日も欠かさず、キャストのみんなが劇場に駆け付けてくれた。ファンの方も、ビックリすると思うんですけど30、40回見てくれている方がいる。その頑張りが積み重ねがあって、今日がある」と感慨深げに語った。主演の大澤数人が「こんなに人が埋まっていて、うれしいです」と語る合間を縫うように自らの話を差し挟んだ理由については「最初に言うと、泣くかな? と思って」と言い、照れ笑いを浮かべた。

製作費300万円のインディーズ映画ながら、興行収入31億円超を記録した「カメ止め」を手がけた、上田監督の長編映画第2弾への期待は高く、全国148館で公開されたが、興行的には苦戦を強いられた。公開から1カ月がたったこの日、全国で公開している劇場は、池袋シネマ・ロサのほか、愛知県のミッドランドシネマ名古屋空港、福井県の福井コロナシネマワールド、宮崎県の宮崎キネマ館の4館にとどまる。

それでも、この日、池袋シネマ・ロサ周辺に出来た観客の列は「カメ止め」ムーブメントをほうふつとさせるものだった。公開前に「誇りを持って届けられるし、今年1番の映画になるんで」と語った河野宏紀は、満員の客席を見詰め「まずは満席の景色を見せてくださって、本当にありがとうございます」と感謝した。ただ、顔には悔しさがにじんだ。「ただ…僕は中途半端に喜びたくない。まだ終わって欲しくないし、今日がやっと始まりだと思っているし、僕は最後に喜んで笑いたいです」と、苦境を乗り越える覚悟を口にした。

富士たくやは連日、池袋シネマ・ロサで舞台あいさつや、観客の見送りなどの活動を行った日々を振り返り「初めて舞台でごあいさつさせていただいた光景…お客さまが少なくて、忘れられない」と語った。上田監督は「(観客)9人の前でキャスト15人があいさつしたんですよ。その時も、みんな笑顔でやってくれて。31日間、ずっとやってくれたから今日がある」と、動員が苦戦する中でも頑張ったキャストをたたえた。

その上で、上田監督は「みんなに満席の景色を見てもらえて、今日という日の景色は、これからの、みんなの背中をいつか押してくれるだろうし、多分、僕の背中も押してくれるだろうし、今日という日を作ってくださって、本当にありがとうございます」と語った。そして、満席の客席を見て「公開31日目ですけど、まだ、まだ、まだ、まだ、まだ、この映画を広めて、届けていきたいと思っています」と捲土(けんど)重来を誓った。【村上幸将】

その他の写真

  • 映画「スペシャルアクターズ」の舞台あいさつ後、観客と一緒に写真を撮る一同(撮影・村上幸将)
  • 映画「スペシャルアクターズ」の舞台あいさつで号泣する津上理奈(中央、左は小川未祐、右は川口貴弘)(撮影・村上幸将)
  • 映画「スペシャルアクターズ」の舞台あいさつに登壇した山下一世(撮影・村上幸将)