河瀬直美監督(51)の「朝が来る」が、世界3大映画祭の1つ、カンヌ映画祭(フランス)事務局が3日(日本時間4日)発表した第73回映画祭の公式ラインアップに選ばれた。河瀬監督にとって同映画祭に公式に選出されたのは、新人監督賞「カメラドール」を受賞した97年「萌の朱雀」、03年「沙羅双樹」、グランプリを受賞した07年「殯(もがり)の森」、11年「朱花の月」、14年「2つめの窓」、15年「あん」、17年「光」に続き8度目。また、日本での公開日が10月23日に決まった。

今回、公式ラインアップに選ばれた56作品は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で5月12日から同23日の通常開催を見送ったカンヌ映画祭が、来春までの劇場公開を予定する作品の中から、従来のように部門ごとに区別はせず「CANNES 2020(カンヌレーベル)」として選んだもの。1946年(昭21)のスタート以来、74年に及ぶ映画祭の歴史の中で初の試みとなる。

出演した永作博美(49)は「『CANNES 2020』のレーベルを頂戴したと連絡がありました。目の前の悶々とした空気をかき分け存在を示したカンヌ映画祭…前に進めと軽やかな風を流し込んでもらったような知らせでした。新たな道が開いたような。変化の今、全ての映画たちに敬意を表します。全ての映画に幸運来たれ!」とコメントした。

井浦新(45)は「今年はもう中止かと思ってました。そんな中でも新たな形に進化させ開催して下さるCANNES 2020。感謝致します。河瀬組が一丸となり魂を注いだ作品『朝が来る』が、『CANNES 2020』のレーベルに選出され、世界中の人々と出逢う機会を頂けたことは、大変嬉しく光栄の至りです。日本での公開が延期してしまいましたが、一日も早く、一人でも多く、この映画と出逢っていただける事を願っています」とコメントした。

蒔田彩珠(17)は「『朝が来る』の撮影の日々を今でもよく思い出します。全身全霊をかけて取り組んだ作品が、『CANNES 2020』のレーベルに選出された事で、世界中のより多くの方に観ていただける事、心より嬉しく思います。自粛期間中、映画を観て過ごすことで、前向きな気持ちを持つことが出来ました。私も俳優として、観た人が希望を持てるような作品に、これからも携わっていきたいです」とコメントした。

浅田美代子は「『CANNES 2020』のレーベルに『朝が来る』が選出されたという 嬉しいニュースが舞い込んだ。 映画の賞などにあまり縁のなかった私がこの国際的な栄誉を受けた作品に加われたこと本当に感謝です。10月に公開となりますが、是非多くの方に観て頂きたい作品です。そしてもっともっと映画に関わり続けていけたらと新たに思います。この作品に関わった全ての人おめでとう!」(コメントは全て原文のまま)とコメントした。