米シカゴのオヘア国際空港で16日、新型コロナウイルスに感染することが怖くて飛行機に乗りたくないとの理由から、一般の立ち入りが禁止されている保安区域で3カ月間、誰にも気づかれずに暮らしていた男が逮捕されたことが明らかになった。

米ABCテレビなどによると、アディチャ・シン容疑者(36)は、航空会社の職員から身分証の提示を求められたことがきっかけで、3カ月間不当に滞在し続けていたことが発覚したという。

同容疑者は身分証を所持していたが、それは昨年10月に別の空港職員が紛失したものだったという。

報道によると同容疑者は昨年10月19日にロサンゼルスからシカゴに到着したもののコロナへの感染が怖くて再びロサンゼルスの自宅に戻ることをためらっている時に空港内で落とし物の身分証を見つけ、そのまま空港にとどまることにしたと取り調べで供述しているという。

同容疑者は3カ月間、他の乗客ら空港利用者から食べ物や必需品などをもらって生活していたという。シカゴに行った理由は明らかにされていない。

同容疑者に前科はなく、空港や他の利用者に警備上の危険リスクがなかったことから、空港の制限区域への不法侵入と窃盗で起訴され、1000ドルの保釈金を支払えば空港への立ち入り禁止措置のみになると伝えられている。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)