3日に離婚を発表した米マイクロソフトの共同創設者で慈善活動家のビル・ゲイツ氏(65)が、27年間連れ添った妻のメリンダさん(56)にすでに18億ドル(1980億円)相当の株式を譲渡していたことが明らかになった。

芸能情報サイトのE!ニュースや米経済誌フォーブスが報じた。フォーブスは推定1304億ドルと言われるゲイツ氏の保有資産は、わずかに減少して1286億ドルになったと伝えている。

米証券取引委員会(SEC)に提出した書類によると、ゲイツ氏の投資会社カスケード・インベストメント社が離婚を発表した3日にカナダ国内最大の鉄道会社カナディアン・ナショナル鉄道の株式約1400万株と自動車ディーラーのオートネーション社の株式290万株をメリンダさんに譲渡していたという。

一方、ウォールストリート・ジャーナル紙は、他にもコカ・コーラなども含め24億ドル相当の株式を譲渡したと伝えている。

1994年に結婚した2人は、「人生の次の段階において夫婦としては共に成長できるとは考えられなくなった」と理由を明かして離婚することをツイッターで発表。

共同で2000年に創設したビル・アンド・メリンダ財団については今後も共に活動を続けていくことを表明しているが、財産分与に関しては婚前契約を結んでいなかったことが明らかになっている。

メリンダさんが裁判所に提出した離婚申請の書類によると、離婚前に巨額の資産の分割方法について別離契約書を作成しており、それに基づいて資産を分割することが記されていたことから、今回の株式譲渡は離婚による資産分与の一環であることは間違いないとみられている。

別離契約の内容は明らかにされていないことから、今回明らかにされた株式譲渡以外にも非公開の取引で資産の一部をメリンダさんに譲渡している可能性もあるとフォーブス誌は伝えている。(ロサンゼルス=千歳香奈子)