作詞家の秋元康氏(64)が、フジテレビで4月14日から2時間の生放送番組としてレギュラー復活する「オールナイトフジコ」(金曜深夜0時55分、関東ローカル)の総合プロデューサーに就任したことが3日、明らかになった。

同番組はかつて圧倒的な人気を誇った深夜バラエティー番組「オールナイトフジ」のリニューアル版。83年4月から土曜深夜に生放送され、お色気コーナー満載で深夜ながらも高視聴率をマークし、91年3月末まで8年間続いた。

MCに元テレビ東京プロデューサーの佐久間宣行氏(47)オズワルド伊藤俊介(33)さらば青春の光の森田哲矢(41)の3人を迎え、32年ぶりによみがえる。秋元氏は「オールナイトフジ」復活についての顛末(てんまつ)を熱く語った。

秋元氏 あの頃の「オールナイトフジ」は“放送終了時間未定”でした。今のテレビは、制約が多すぎて、フォーマットが決まってしまうのですが、若手のクリエーターたちが、自由に発想できる場を作りました。どうなるかわかりませんが、今から、ワクワクしています。この“ワクワク”こそ、視聴者や出演者やクリエーターたちの熱の源のような気がします。

当時、「オールナイターズ」と呼ばれる現役女子大生を数多く起用し、「女子大生ブーム」を巻き起こした。デビューしたばかりのとんねるずが、同局初のレギュラーとして出演。昨年6月に就任した港浩一社長(70)が当時のディレクターを務めていた。

秋元氏 おニャン子クラブの原点、オールナイターズ、とんねるず、港浩一社長を輩出した、あの伝説の番組「オールナイトフジ」が帰ってくる。といっても、本当に「オールナイトフジ」の復活は待ち望まれていたのだろうか? いまさら「オールナイトフジ」といっても、そんな40年前の番組、知らねえよという視聴者も多いだろう。

自問自答しながらも、導き出した結論にブレはなかった。

秋元氏 それでも、なぜ、「オールナイトフジ」なのか? 今の地上波に必要なものは、あの番組が持っていた熱量だと思うからだ。港浩一社長と盟友秋元康はとにかく、金曜日の深夜に2時間の生放送をやってみようと考えた。広報資料として発表できるような企画はまだ、何もない。そこにあるのは、金曜日の深夜に2時間の生放送の枠を作ったということと、地上波の可能性と、出演者や若手クリエーターたちの熱量だけである。

MCを務める佐久間氏、伊藤、森田の3人が作り出す化学反応にも期待が集まる。

秋元氏 メインの司会者は、元テレビ東京の社員で、今、ニッポン放送「オールナイトニッポンゼロ」のパーソナリティーとして絶大な人気を誇る演出家・プロデューサーの佐久間宣行。脇を固めるのが、オズワルドの伊藤俊介とさらば青春の光の森田哲矢。当然、オールナイターズのような二匹目のどじょうを狙ってはいるが、正直、これも確定ではない。要するに、全てが見切り発車なのである。それこそがテレビの真骨頂だ。やってみなければわからない。

最後はタイトルに込めた思いも明かした。

秋元氏 大コケしたら、全ては、大多亮専務のせいにして逃げ切ろうと、立松嗣章編成局長は語る。タイトルだけでも少しは変えようということで「オールナイトフジコ」にしようと、飲み会で決まった。「コ」をつけただけだが、“フジコ”というキャラクターは面白そうだ。