大泉洋(50)が26日、アニメ映画「名探偵コナン 100万ドルの五稜星」(永岡智佳監督)の舞台となった北海道函館市で行われた公開前イベントに、声優の山口勝平と参加し、函館山でトークを展開した。

「名探偵コナン 100万ドルの五稜星」は、函館にある斧江財閥の収蔵庫に、怪盗キッドから新選組副長・土方歳三にまつわる日本刀を狙うという予告状が届いたところから物語が始まる。大泉は劇中で主人公江戸川コナン(声=高山みなみ)たちと顔見知りの北海道警捜査一課・西村警部の部下・川添善久を、山口は怪盗キッドを演じた。川添は現場に遅刻して来たり、パトカーで縁石に乗り上げたりとドジで残念ながら、函館にまつわるお宝の伝説や宝を狙う容疑者の裏事情にやけに詳しい刑事という役どころ。大泉は「『コナン君、逮捕する』と涙ながらに逮捕するシーン、なかったな」とジョークを飛ばした。

映画の中で、コナンらは函館市内でド派手なアクションを展開する。公開前に一般試写は行わないなど、情報管理を徹底する中ながら、1度、エンジンがかかった大泉節は止まらなかった。「私の愛する函館を、コナンの豪華なキャスト陣が暴れ回る。(函館を)愛している人間からすると『お前ら勝手に何、爆発しているんだ』と…。コナン君(爆発が)名物なんですってね。本当はコナン君が去った後、この辺は壊滅状態になっていますよ。函館を愛しているからこそ、イラッとする。ここで車が爆発した、みたいな…」などとボヤキを連発した。

一方で「精巧に街が描かれている」と、函館の街を忠実に描いた作品性の高さを絶賛した。この日、大泉は山口とコナンと一緒に、劇中で描かれる五稜郭、金森赤レンガ倉庫街を相次いで巡った。予告編に一瞬だけ映っていないホテルが、函館市内のホテルだと熱烈なファンに特定されており、予約が相次いでいると聞き、大泉は「怪盗キッドが落ちていくホテルも分かる…ここだ! と。そういう楽しみ方ができる」と強調した。

大泉は、マシンガントークを展開する中、沈黙が続いたコナンに「トークショーに、コナン君、いるか?」と問いかけた。「相当、無口…朝から、俺、ひと言も声を聞いてねぇから。写真撮影で良かった…トークショーだもん」と口にすると、コナンも納得したのか、軽くうなずくようなそぶりを見せた。

一方、山口は落語家・立川志ら乃の弟子で「のゝ乃家ぺぺぺぇ」の名で高座に立つ落語家の顔を持つ。金森赤レンガ倉庫街には「イベントでなく、金森ホールで普通に落語をやりに行って以来、5、6年ぶり2回目」の訪問となった。「五稜郭タワーは初めて、きれいでした」と、五稜郭をタワーの上から見た景色の良さに感じるものが多かったようだ。

大泉も「僕も五稜郭を上から見たのは久しぶり」と笑みを浮かべた。五稜郭タワーと金森赤レンガ倉庫街には、山口演じる怪盗キッドからの予告状があり、演じる山口自らが文面を読み上げる一幕もあった。大泉は「キャラクターの声で近くでやってもらうって、何て幸せなんだろう。声優さんの声は唯一無二です」と山口の声の芝居に胸を打たれていた。