アルビレックス新潟が8試合ぶりの勝利、ホームで第6節徳島ヴォルティス戦(3月25日)以来、167日ぶりの白星を挙げた。

FC岐阜に5-0と今季最多得点で快勝。FW河田篤秀(25)がハットトリックを達成した。前半18分、35分、42分と続けざまにゴールを奪いチームを勢いづけた。これで河田が得点した試合は6戦全勝。新人のMF戸嶋祥郎(22)は後半6分にリーグ戦初得点を決めた。新潟は勝ち点33で順位は19位から18位に上がった。

河田の“全勝神話”は生きていた。自身14試合ぶりの得点は、リーグ戦初のハットトリックだ。前半18分、戸嶋の右からのクロスに走り込み先制点。その17分後、今度はDF川口尚紀(24)のクロスをヘディングで押し込む。3点目はDF渡辺泰基(19)のクロスをきっちり右足で決める。

「とにかく得点が欲しい」。そんな思いが最高の形になった。今季通算8得点。得点した試合がすべて勝ち点3に結び付く。昨年J1で2試合3得点だった。その2試合は引き分け。これでゴールを奪った試合は、いまだ負けなしだ。

片渕浩一郎監督(43)は「まず失点しないこと」と守備を重視した。引いて守るわけではない。求めたのは新潟らしいアグレッシブさ。前線からしつこくボールを奪いにいき、陣形をコンパクトに保つことを意識。攻め込まれたときはゴール前できっちりはね返した

前節愛媛戦で0-0で引き分け、7試合ぶりに勝ち点を手にした。無失点に抑えた手ごたえをもとにプレーの精度を上げた。攻撃は奪ってから速攻を繰り返す。「守備から整備をするのが大事。それがいい攻撃につながる」(片渕監督)。河田のハットの後、後半は戸嶋が初得点。後半19分には途中出場のMF小川佳純(34)が29試合ぶりの今季2点目。少しでもゴールに近い位置でボールを奪いそこから前へ。そんな新潟らしさが大量得点につながった。

片渕監督にとっては16年10月の磐田戦以来の勝利。監督通算2勝目は上昇へのスタートになった。【斎藤慎一郎】

▼ハットトリック FW河田が初の1試合3得点。新潟では13年10月27日の湘南戦でFW川又堅碁が記録して以来8人目(12度目)。前半だけで3得点は09年4月18日の広島戦でFWペドロ・ジュニオール(前半22、30、43分)が達成して以来9年ぶり2人目。