3連敗中だったコンサドーレ札幌は大分トリニータに1-1で引き分け、4試合ぶりの勝ち点をつかんだ。1点を追う後半44分、MFルーカス・フェルナンデス(26)が、8試合ぶり今季2号。土壇場で同点に持ち込んだ。今季ワースト6失点で敗戦した前節川崎F戦から中3日、崩して攻めるスタイルを貫き、連敗をストップさせた。

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札幌が土壇場で勝ち点1をもぎ取った。ミハイロ・ペトロビッチ監督(62)は「足りなかったのは2点目。内容は満足できる」と言い切った。川崎F戦から中3日のハードな日程も、90分間、戦いきった。

4試合ぶりの勝ち点を呼び込んだのは、ルーカスの1発。1点を追う後半44分。右サイドから攻め上がり、ゴール前でFWロペスに預けると、再び受けたボールをゴールへ流し込んだ。「ロペと目が合った。僕は運ぶだけだった」。ブラジル人コンビの息の合ったワンツーで、相手ゴールを割り、欲しかった貴重な1点を奪った。

今季ワースト6失点で3連敗を喫した前節と、ほぼ同じ布陣で臨んだ。出場停止明けのDF田中の投入のみ。3-4-2-1を採用し、トップに豊富な運動量を誇るMF荒野を起用した。大分とはミラーゲームによる個々の力比べ。決して走り負けなかった。

前節の大敗後、3日連続で行ったミーティングで指揮官が訴えたのはメンタル面。「選手1人1人が責任感を持って、自分がいい時のプレーを思い返し、自分にもっと厳しく」と訴えた。ルーカスは「3連敗で状況はあまり良くなかったけど、監督と一体となって、どうすればこの状況から脱出できるか探っている」。選んだ道は戦術やメンバーの変更ではなく、信念を貫くことだった。

FW鈴木のベルギー1部ベールスホット完全移籍発表後最初の試合。エース退団の影響はあるが、5日間で2試合のフル出場を果たしたルーカスは「もっともっと自分たちのサッカーができる」。この苦境も全員の力で乗り越える。【保坂果那】