ガンバ大阪が2-1の逆転で3連勝を飾り、10戦不敗で単独2位となった。北海道コンサドーレ札幌に先制を許しながらMF井手口陽介(24)とFWパトリック(33)の得点で逆転。25日に酒気帯び運転などの疑いで大阪府警の任意捜査を受け、謹慎処分になったFWアデミウソン(26)に関し、試合前に小野忠史社長(59)がホームの観客に謝罪。今季最多1万6183人が見守った一戦でざんげの再スタートとなった。

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宮本監督は、3連勝を飾っても表情は硬かった。仲間の不祥事発覚後、初めて迎えた試合。選手に覚悟を求め、一丸となって勝利をつかんだ。

「小さくない傷があったが、我々は現実を受け止めて歩みを止めてはいけない。衝撃があったことで生まれた傷を、癒やせるのは我々でしかない。周囲を見渡してみても、いろんなところに傷を負った人がいる。選手には、自分たちで治せるようにと言った。高い集中力で難しい1週間を頑張ってくれた」

在籍5年目、チーム最多6得点を記録していたアデミウソンが、酒気帯び運転などの疑いで謹慎処分になった。接触事故も起こし、被害者も出た。同じブラジル人のパトリックは「大事な仲間の彼が、いつもの控室にいない。すごく心配だった。だが自分たちは、ぶれずに練習に取り組んだ」。途中出場からわずか2分後の後半17分、決勝ヘッドをたたき込んだ。

後半終了間際、相手と交錯して口を強打しながらゴールを死守したGK東口は「選手と現場スタッフは、(戦う)姿勢を見せ続けないとサポーターに申し訳ない」。入場規制が緩和され、今季最多1万6183人を動員したホームで「明らかに雰囲気は違った。その中でより一体感が出た」と付け加えた。

試合前には小野社長がピッチに立ち「とんでもない行為。被害に遭われた方に対し、心よりおわびを申し上げます」と謝罪した。汚名返上を懸けた試合はまだまだ続く。単独2位となったG大阪は次節3日、4位C大阪とのダービーに臨む。【横田和幸】