横浜FCのFWカズ(三浦知良、54)が22日、12日から大阪府内で実施していた自主トレ合宿を打ち上げた。横浜FCを今季限りで退団する可能性が高いカズには、計8クラブから獲得オファーが届いた。JFL鈴鹿と関西リーグ1部おこしやす京都が優位とみられる争奪戦は、早ければ26日にも決着がつきそうだ。

カズは「中身の濃い練習ができた」と、充実した表情で合宿を振り返った。残すはJ3のYS横浜だけになった8クラブとの移籍交渉。「自分が一番、試合に出られると感じられるチームを選びたい。しっかりした目標、ビジョンがあるところ。10、20年後ではなく、近い将来の目的があるところに行きたい」。出場機会を筆頭に、従来通り新天地選びの条件を掲げた。

11月下旬に移籍の可能性が表面化したが、関係者によると、それ以前に交渉を始めて優位性を保っていたのが、鈴鹿とおこしやす京都だ。ただ、鈴鹿は元執行役員による内部告発とする投稿が続き、クラブが警察に相談する騒動となり、今月12日に公表。カズはこの日「(鈴鹿から騒動について)説明をしたいと言われている」とし、問題が解決されれば、交渉がより前進する可能性はある。

おこしやす京都は19日の再度の交渉で、今合宿最長となる約1時間45分もカズと膝をつき合わせた。幹部は「内容は言えない」と、交渉の進展具合に緊張感を漂わせている。

Jリーグ6部相当のクラブまで加わったカズ争奪戦。すべての移籍候補に対して「どこも素晴らしいプレゼンをしてくれ、決めるのが難しい」というカズは「クリスマスが明けて、25日の後ぐらいには決めたい」と明言した。

▽カズの移籍先候補

【J2】琉球

【J3】YS横浜

【JFL】鈴鹿、高知、FC大阪

【地域リーグ】おこしやす京都(関西1部)、南葛SC(関東2部)

【海外】アルビレックス新潟シンガポール 

 

▽カズの大阪合宿

★人気者 カズ人気でセルティックへの移籍が進むG大阪MF井手口ら、多くの現役選手や元選手らが自主トレに合流。ともにドーハの悲劇を味わった武田修宏氏も加わった。

★特別食 練習施設内のレストランのシェフが、カズのために玄米などを用いた特別食を毎日用意。

★アポなしはNG 北海道のアマチュアクラブ関係者が、アポなし訪問して「カズさんをスカウトに来ました」。あいさつだけで交渉はできなかった。

★人気漫画家が人生初の移籍交渉に 漫画「キャプテン翼」の原作者で南葛SCのオーナー高橋陽一氏が交渉に同席。「翼とカズさんの化学反応が見たい」と熱烈オファー。