コンサドーレ札幌の元日本代表FW興梠慎三(35)が26日、ホーム初登場で待望の移籍後初得点を挙げた。札幌ドームで行われた広島とのホーム開幕戦で、先制ゴールとなる今季1号。試合は後半9分に同点に追いつかれ1-1で引き分け、「ファンに申し訳ない」と新天地でもリーダーシップを発揮していく覚悟を示した。クラブのJ1通算100勝目は、次節3月6日のアウェー福岡戦に持ち越しとなった。

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興梠が一瞬で“初対面”の札幌サポーターのハートをつかんだ。前半11分、鮮やかにゴールネットを揺らした。「当てることだけ、ミートすることだけ考えて、うまくいいコースに飛んでくれたのでよかった」。DF福森晃斗(29)のペナルティーエリア内でのシュートが相手DFにブロックされたこぼれ球に鋭く反応すると、左足でゴール右隅に移籍後初ゴールとなる先制点を決めた。

札幌の一員として早くもリーダーシップを発揮し、新天地での覚悟を感じさせている。現役選手では最多となるJ1通算159得点目。それでもチームの勝利にはつながらなかった。「どうしても個人的な結果とチームの結果というのを出したかった。ゴールできたことはすごくうれしいですけど、勝ち点3を拾えなかったことはやっぱり見に来てくれたファン、サポーターたちに申し訳ないという気持ちでいっぱいです」と反省を忘れなかった。

南国宮崎の出身で、これまで鹿島、浦和と渡ってきたが雪にはなじみがない。キャンプ地熊本から札幌に移動してくると「ここで1年過ごすのか」と一瞬たじろぐほど降り積もる大雪に驚いた。だが「今まで経験したことのないような1年間を過ごせそうなので楽しみ。早くこの環境に慣れなきゃいけない」と前向きに捉えた。浦和時代の20年には第1節でシーズン初得点を決めているが、まだ冬の寒さが続く2月の札幌で22年初ゴール。「気持ちに余裕ができるというか、これからの試合がすごく楽しみ」とうなずいた。

ペトロビッチ監督(64)は「得点という部分に期待をして獲得した。今後もまだまだ得点を重ねてくれると思う」と評価した。ヒザのケガも抱えながらプレーする興梠は「1試合でも離れたくないと自分自身思っているので、これと付き合いながら、全試合に絡んでいけたらいいかなと思う」と先を見据えた。【山崎純一】

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DF福森が興梠の移籍後初ゴールを“アシスト”した。前半11分、MFルーカス・フェルナンデス(27)から送られたボールをペナルティーエリアのライン上でシュート。相手にブロックされたが、そのこぼれ球を興梠が決めた。「やっぱり得点嗅覚がある人の前にはボールが転がるんだなとあらためて思いましたね」とチームメートをたたえた。

■次節の試合

▽3月6日【日】(第3節)◇ベスト電器スタジアム

福岡14:00札幌