ヤクルトの公式ジュニアチアリーディングチーム「Sparkles」(C)Sparkles
ヤクルトの公式ジュニアチアリーディングチーム「Sparkles」(C)Sparkles

今回は、プロ野球ヤクルトの公式ジュニアチアリーディングチーム「Sparkles」(スパークルズ)です。10周年を迎えたチームに、これまでの活動やエピソードなどについて聞きました。

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「日本一かっこいいプロ野球チームの横に立つのにふさわしいジュニアチアリーダーであろう」。それが、スパークルズの合言葉。選ばれしプロ野球選手しか立てない場所に立つ。その誇りを胸に、身だしなみや歩き方、あいさつの仕方、すべての行動で「かっこいい自分でいよう」と心がける。

パフォーマンス当日は、メンバー約130人が観客でにぎわう神宮球場に集合する。全員が一斉に動くと観客の足を止めてしまうこともあるが、そんな時も観客へのあいさつやお礼の言葉を欠かさない。「みんなの行動でファンのワクワク感を失わせないことが大事。ありがとう、の一言で不快に思う人は減る」。こう話すのは、ディレクターの福田里奈さんだ。

スパークルズは現在、メンバー123人をコーチ4人で率いている。試合時、コーチが全員に指示を出すのは難しい。イニング間も演技をするため、メンバーは試合展開を把握し、選手の邪魔にならないよう臨機応変に動く必要がある。そんなときには、上の子が下の子の面倒を見る。中高生が中心となり、アップをしたり、荷物をまとめるなど、時間を管理しながらメンバーを引っ張る。「試合では、自分で考えて自分で行動する必要があるので、普段から全部を伝えずに考えさせる指導を心がけています。コーチの意図をくんで動いてくれるので、すごく助かります」と福田さん。

出演回数も多い。神宮球場で開催されるヤクルトの公式戦8試合やファン感謝デーのほか、2013年のオールスターゲーム、15年の日本シリーズにも出演した。

ボードを掲げ、一緒にコールアウト(C)Sparkles
ボードを掲げ、一緒にコールアウト(C)Sparkles

試合時はフル回転だ。試合前には、オリジナルダンスや応援ソング「We Are The Swallows」を踊り、選手入場の花道も作る。3回にはボードを使った応援、5回には「EZ DO DANCE」、7回には「東京音頭」…。デーゲームの勝利時には最後の応援ソングまで参加し、スタジアムDJやマスコット、ヤクルト公式ダンスチームPassion、ファンと一体となって一本締めも行う。「みんなのコールや笑顔、ダンスでファンの気持ちを高めて、選手への声援につなげよう。そして、ファンと一緒に踊る応援ソングなど3曲は見本となるよう正しい形でと伝えています」(福田さん)。

傘を持っての東京音頭(C)Sparkles
傘を持っての東京音頭(C)Sparkles

メンバーとその家族は、ヤクルトの大ファン。1~2時間かけて、レッスンに通うメンバーもいる。出演しないときも、神宮球場で試合観戦するメンバーも多い。客席で完璧に踊るメンバーがテレビに映ることもある。

昨季最後の出演日は、創設後初の雨天中止となった。5人の高校3年メンバーにとってはチーム卒業の日。神宮球場で中止を知らされた3年生たちは泣いてその場を離れなかった。

5人のために、何か特別な場を設けたい。福田さんは、シーズン終了後のファン感謝デーで、5人のパフォーマンスの場を設けたいと提案した。5人は本番に向けて練習を重ね、思い出が詰まった神宮球場で卒業パフォーマンスを披露。特別な時間となった。

オープニングではポンポンを持って華やかに応援(C)Sparkles
オープニングではポンポンを持って華やかに応援(C)Sparkles

チーム名には、メンバー1人1人がキラキラ輝き、スポーツによって得られる大きな夢と感動を実感してほしい、という願いが込められている。創設から10周年を経た成長がある。福田さんは「ホーム開幕戦の寒くて風も吹くセレモニーで(約15分もの間)笑顔で堂々とビッグフラッグを固定しながら持っている姿を見て誇らしかったです。今後も、日本一のジュニアチアリーダーにふさわしい努力を重ねていきたいです」と話した。

◆Sparkles(スパークルズ) 10年創設。メンバーは小1から高3までの123人。都内のスタジオで週1回1時間(年間計42回)の練習を行う。オリジナルダンスとコール応援では、キックやジャンプ、ターンなどチアダンスの動きを取り入れたパフォーマンスで球場を盛り上げる。