2020年東京オリンピック(五輪)・パラリンピック大会組織委員会は福島からの国内聖火リレースタートまでちょうど2カ月となった26日、千葉・幕張メッセで「聖火引継式文化パート」のリハーサルを行った。

一部を報道陣に公開。演出への発想の起点には、日本神話とギリシャ神話の融合があった。組織委の森喜朗会長(82)と、式典の文化パートの監督を務めるEXILEのHIRO(50)も視察した。

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全体で10分間の演目のうち、冒頭3分間だけがメディアに公開された。出演者は小学生20人、中学生100人、高校生20人の子どもたちを中心に、サポートメンバーを含めた216人。赤と黄を基調とした衣装を身にまとい、赤とオレンジの旗や赤い傘を振った。

演出チームによると、衣装や旗は太陽と炎をイメージ。太陽から聖火を受け継ぐ様子を表現したという。

「引継式」は3月19日、ギリシャ・アテネ市内にあり、1896年に近代五輪が初めて開催されたパナシナイコスタジアムで執り行われる。ギリシャ国内でリレーされてきた聖火を、五輪を開催する日本側に引き渡す式典だ。公開された冒頭部分では日本とギリシャ両国の神話を発想の起点とし、演出案が生まれた。

演出関係者によると、日本からは天岩戸(あまのいわと)という洞窟に隠れた太陽の神、天照大神を洞窟から引き戻し、世に再び光を取り戻す神話を起点とした。一方、ギリシャからは、プロメテウスがゼウスから火を盗み出して人間に火を渡したという神話をモチーフにしたという。

森会長はリップサービスで、後のストーリーに「やまたのおろち」が出てくると紹介。後半7分間で、日本神話に基づいた演出が控えていること明かした。

3部構成からなり「不屈の精神」「創造と革新」「未来への希望」とテーマ分けしている。第2部は日本の祭りをテーマに日本独自の文化と現代のストリートダンスを掛け合わせた。第3部は、子どもたちの元気を前面に出して、未来に向かっていく希望感を出すという。公開後、取材に応じたHIROは「しっかりと日本代表として恥ずかしくないものをと考えてきた」と語った。【三須一紀】