東京都水泳協会の北島康介新会長(37)の“初仕事”が「学生救済大会」となった。同協会は14日までに小、中、高、シニアと部門別に特別大会を開催することを決めた。新会長は6月の就任時に「水泳のさらなる発展と振興のため、諸先輩が築いてこられた伝統を継承しつつ、新しい時代のスポーツの価値を創造していきたいと思います」と話してきたが、初めての大会開催を迎えることになる。

新型コロナウイルス感染拡大を受けて、春先から競技会は軒並み中止。同協会は、学生たちが練習の成果を発揮する独自大会の開催を目指してきた。「東京都特別大会」と銘打たれた大会は、小学生の部が8月22、23日、中学生の部が9月5、6日、高校生の部が同19、20日、シニアを含めた共通の部が同21、22日を予定。原則として東京都水泳協会の登録団体が出場。会場は東京都の了承を得て水球の五輪会場でもある東京辰巳国際水泳場になった。

北島会長は、特に感染防止対策のガイドライン策定などで大会に携わっている。北島会長は6月に自身が運営する都内の水泳施設「AQUALAB(アクアラボ)」について、医療コンサルティングを行うキャピタルメディカ社とアドバイザリー契約を締結。ガイドラインを策定して、同社の認定証というお墨付きを得ている。同協会関係者は「会長は運用マニュアル、ガイドラインの部分で積極的に動いてくれる」という。北島会長は「僕らはどれが正しいか、専門知識を持っていない。見よう見まねや想像することと、医学的な意見をきちんと聞くことは全然違う。指導する側がきちんとした知識を持つことが大切だと思う」と話しており、特別大会でもそのノウハウを生かす方針。安全を優先した上で、練習の成果を発揮する場所を提供する構えだ。【益田一弘】