19年世界選手権覇者のネーサン・チェン(21)がフィギュアスケート界のレジェンド以来となる5連覇を果たした。ショートプログラム1位から迎えたフリーは208・36点で1位、合計322・28点で優勝。男子シングルの5連覇は、五輪2連覇のディック・バトン以来(46~52年)71年ぶり。「信じられない。ディックは7連覇して以降、多くのスケーターにインスピレーションを与えてきた。彼の後をたどれているのは信じられないこと」と米放送局に語った。

演技では5度の4回転ジャンプに挑んだ。冒頭の4回転ルッツこそ手をついて着氷が乱れたが、以降は4本の4回転(フリップ、サルコー、トーループ、トーループ)に成功。着地で詰まるような場面があり、いつものような流れのある跳躍ではない場面もあったが、「少し臆病だったかも。1つのエレメンツに取り組むのではなく、力を保つことを意識した。それが誤ったアプローチだったかもしれない」と演技後に振り返った。

次戦は3月の世界選手権(スウェーデン)になる見込み。新型コロナウイルスにより昨年は中止となり、今季も開催は不透明だが、全米王者として2年ぶりの世界一決定戦に進む。