ラグビージャーナリストの村上晃一氏(54)が南アフリカの警戒選手を「村上‘s ポイント」として5回連載で紹介します。最終回は身長200センチの大型フランカー、ピーターステフ・デュトイ(27)です。

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これまで見たことがないタイプの「モンスター」。デュトイのプレーにはそれぐらいのスケール感があります。大きな体でありながら、動きが速く、しつこく相手を追いかけてタックルにもいく。サポートも怠らず、ボールをインターセプトして独走トライをする走力もある。ロック、フランカーの両方ができ、ボールを持つ回数も、タックル回数も多い。16、18年の南アフリカの年間最優秀選手はただ者ではありません。

現在、世界のフランカーを見渡すと、オーストラリア代表のフーパー、ポーコック、ニュージーランド代表のケインらがトップにいますが、彼らの身長はいずれも180センチ台。200センチでその一角を担っていると考えれば、デュトイのすごさが伝わると思います。昨年6月には主将も務めており、リーダーシップもあります。

テレビで試合を見るファンの方にとっては、この選手が頻繁に映る展開は、日本にとって良くない時だと思ってください。攻守の要であるデュトイをいかに疲れさせ、仕事をさせないか-。それが日本の勝利の鍵になりそうです。(おわり)