「どうだ!俺の生田斗真、どうだ!」親友の尾上松也も誇る歌舞伎共演

【番記者裏話】スクープや芸能界の最新情報を求めて現場を駆け回る芸能記者が、取材を通じて感じた思いをつづります。

高校同級生の生田斗真と尾上松也が舞台共演。仕事仲間としての顔と、友達同士の顔が見えました。

番記者裏話

遠藤尚子

20年来の親友である生田斗真(37)と尾上松也(37)が登壇した、Netflixドキュメンタリー「生田斗真 挑む」記者発表会を取材した。2人の会話からお互いへの信頼感が伝わり、関係性がうらやましくなった。

生田にとって初の歌舞伎挑戦となった昨年8月上演の「尾上松也・歌舞伎自主公演 挑むVol.10~完~新作歌舞伎『赤胴鈴之助』」の舞台裏に迫ったドキュメンタリー。学生時代の約束を実現したもので、生田は「20数年前、同じ高校に通っていた松也君から『いつか一緒に歌舞伎やろう』と言われて、『いいよ』と答えた。まさか実現すると思っていなかった」と感慨深げに語った。

舞台経験豊富な生田だが、歌舞伎特有のせりふ回しや動き、稽古の進め方は親しんだ世界とは全く異なるものだったという。未知のフィールドに呼ばれた立場として「ご迷惑にならないように」と消極的思考に陥りそうになったが、「自分なりの表現というか、『歌舞伎役者になればいいのに』と言われるくらいのことをやらないと、と。そこからマインドが変わった。今回挑戦したことで、僕の人生は大きく変わったと思います」と実感を込めた。生田の気持ちに立って考えれば、友達の自主公演に泥を塗るわけにはいかないと身の引き締まる思いがあっただろう。

松也も、俳優としての生田を信じていたからこそのオファーだったが「関係が深いゆえに僕らでなくてはできないクオリティーのもの、お互いの芝居を感じながら築き上げたものが『赤胴鈴之助』で出ないと、彼に恥をかかせることになる」と切羽詰まった思いがあった様子。「生田斗真をどう歌舞伎役者として仕上げるのかがミッションだった」と振り返りつつ、最終的には周囲の歌舞伎役者を感嘆させるまでに成長した生田のことを「『どうだ!俺の生田斗真、どうだ!』と言っていたし、彼の誠心誠意歌舞伎に向かう気持ちが、彼の思いが(共演者やスタッフ)みんなに伝わった瞬間があった。これは、本番よりも感動した瞬間だったかも知れない」と誇らしげに語っていた。

取材会場には、生田と松也の学生時代の思い出写真が飾られていた。どれも表情が幼く、重ねてきた時間の長さがうかがえるものだった。個人的なハイライトはフォトセッションで、「あの写真のように…」とカメラマンからポージングをお願いされた時のこと。高校の卒業証書を持った2人がピースサインで肩を組んだツーショットを指したもので、お互いに照れながらもしっかりと肩に手を回していた。「歌舞伎っぽい表情で」「学生時代を思い出して」というオーダーにもジョークを交えながら応じ、生田が「2人集まると、どうしても学生時代に戻ってしまう」と照れ笑いしていたのが印象的だった。

取材会を終えて帰る道すがら、スマートフォンで「生田斗真 挑む」の視聴を始めた。真剣な表情で芝居について語り合う仕事仲間としての顔と、その合間にじゃれ合う友達同士の顔が頻繁に入れ替わり、それが面白く、また不思議な関係だと感じた。