大分車いすマラソンが15日、大分県庁前発・大分市営陸上競技場着の42・195キロコースで行われる。国際パラ陸連(WPA)公認で、東京パラリンピック出場を目指す日本選手にとってはラストチャンスと見られており、激しいレースが展開されそうだ。

車いすマラソンの出場枠は1国・地域で男女最多3人まで。日本勢で東京大会代表に内定しているのは、昨年4月の世界選手権男子3位の鈴木朋樹(26=トヨタ自動車)だけだ。マラソンを専門にする選手は19年4月1日から来年4月1日までの2年間限定の世界ランキングで6位以内、さらに世界選手権での内定者を除く上位2人という厳しい条件をクリアしなければならない。

新型コロナウイルスの影響で世界的にもWPA公認レースの今後の開催は不透明になっている。海外遠征も容易ではないことから、今回の大分で出場圏にランクを上げておかなければならない。

現在の世界ランキングから男子の最低限の目標タイムは1時間22分23秒。昨年は鈴木が1時間22分55秒で2位。鈴木と同様、トラックでも活躍する渡辺勝(28=凸版印刷)が1時間24分00秒で4位に入り、パラリンピック4大会連続出場を狙う山本浩之(54=はぁとスペース)と洞ノ上浩太(46=ヤフー)、12年ロンドン大会4位の副島正純(50=ソシオSOEJIMA)ら日本選手7人が24分台で走った。

ただ、例年は大分国際車いすマラソンとして海外から多くの強豪選手が招待されてきたが、今年はコロナ禍で不参加。先頭で引っ張る存在がいない中で昨年を上回るタイムが求められる。国内選手だけでお互いにけん制し合う展開も予想されるが、日本パラ陸連の指宿立強化委員長は「ガチンコ勝負のスピードレースになると想定している。スタートから飛び出す積極的なレースをしないと世界でも戦えない」と奮起を促した。

女子の最低目標タイムは1時間36分26秒。喜納翼(30=タイヤランド沖縄)は昨年2位のタイム、1時間33分50秒で世界ランキング4位と出場圏で、今回はそれ以上のタイムを狙う。トライアスロンとの二刀流で代表を目指す土田和歌子(46=八千代工業)は、昨年4位の1時間44分43秒から大幅なタイム短縮が必要になる。