東京パラリンピックでメダル獲得を目指すブラインド(5人制)サッカー男子日本代表の高田敏志監督(53)が21日、オンラインで会見し、来年の本番へ向けた長期強化プラン策定にラグビー、サッカー両日本代表のノウハウを取り入れていることを明らかにした。

高田監督は「来年8月29日から1週間、チームをピークに持っていくため」の方策を探るべく広く情報を収集。開催国枠でパラリンピック初出場の日本代表は、ビッグイベントを前にした長期にわたる強化、調整を経験していないことから、19年ラグビーW杯日本大会ベスト8、18年サッカーW杯ロシア大会ベスト16の両日本代表に着目した。ともに1次リーグを突破し、決勝トーナメントでも高いパフォーマンスを発揮したチームの強化策、コンディショニングなどについて個人的な人脈を駆使して聞き取りを重ね、プランを組み上げた。

東京パラには8チームが参加。2組に分かれた1次リーグを経て決勝トーナメントが行われる。アルゼンチン、ブラジル、スペインの世界トップ3を中心に強豪がそろう。「ブラサカの世界だけを見ていては日本は勝てない」と高田監督。「難しい環境の中でトレーニングを消化しようとする選手、スタッフの熱量に自信を感じている」と、残り8カ月に総力を傾ける。新型コロナウイルスの影響でブラインドサッカー界の動きも停滞し、日本代表の来年の活動計画も不透明な状況だが、確定次第、メダルにつながるプランも明らかされる。

日本代表は約3カ月の自粛期間から6月10日に活動を再開し、その後は東京都小平市の専用施設「マルイ ブラサカ!パーク」を拠点に週2、3日のトレーニングと月1回の合宿を消化してきた。再開時に2~3割低下していた選手の持久力は8月には元に戻り、10月合宿では大半の選手が過去最高の数値を記録したという。フィジカル、フィットネスで充実度を増している選手たちは、今年最後の合宿を19、20日に終了した。

◆ブラインド(5人制)サッカー 全盲の選手4人と晴眼か弱視者のGK1人でプレー。鈴入りのボールを使い、選手にボールやゴール位置を知らせるコーラーが相手ゴール裏から指示を出す。コートはフットサルとほぼ同じ広さで、ボールが両サイドを割らないようにサイドライン際にフェンスが設置される。前後半20分ハーフ。東京パラリンピック出場チームは(12)日本のほか(1)アルゼンチン(2)ブラジル(3)スペイン(5)中国(10)モロッコ(13)タイ(14)フランス※黒抜き数字は世界ランキング