北京五輪の金メダルから14年越しの連覇を目指す韓国が、イスラエルとのシーソーゲームを制して白星スタートを切った。5-5で迎えた延長10回2死満塁で、途中出場の梁義智が押し出し死球でサヨナラ勝利となった。金卿文監督(62)は「最初の試合は簡単ではないし、挑戦することが必要だった。最後まで諦めなかった選手をたたえたい」と振り返った。

両チームで6本塁打が乱れ飛ぶ激戦だった。1回にイスラエルの先発モスコトが投球中に右肘を痛めて緊急降板。幕開けから波乱含みの展開で先制したのはイスラエルだった。3回に1番キンズラーが左翼へ2ラン本塁打を放った。19年限りで現役引退も、東京五輪のためにイスラエル国籍を取得したメジャー通算1999安打、257本塁打のレジェンドが東京五輪の野球競技1号アーチを放って熱戦が動きだした。

韓国は4回に一時同点に追いつく。2死無走者から姜■(■は王ヘンに民)鎬が左前打で出塁すると呉智煥が右翼へ同点2ラン。しかし6回にイスラエルは17年WBCでも活躍した5番ラバンウエーの中越え2ランで再び勝ち越した。

韓国は2点を追う7回、先頭打者の2番李政厚が右越えソロ。さらに16、17年にメジャーでプレーした3番金賢洙が右越えに同点ソロを運んだ。勢いに乗った韓国は2死二塁と好機を広げ、7番呉智煥が中越え適時二塁打を放ち、1点を勝ち越し。勝利がかかった9回は元阪神の呉昇桓が守護神として登板も、試合はすんなり終わらなかった。

呉昇桓は最初の打者、4番ガイレンを空振り三振に仕留めるも、6回に2ランを放った5番ラバンウエーに痛恨の同点ソロを被弾。試合はタイブレーク方式(無死一、二塁から攻撃)の延長戦に突入した。

呉昇桓は10回も続投。送りバントを決められなかった先頭打者の8番グラセルから空振り三振を奪うと、続く9番バーチャム、1番キンズラーは見逃し三振。その裏に韓国は先頭打者の6番黄載均が投前に犠打を成功。7番呉智煥は三飛に倒れたが、8番許敬民が死球で2死満塁。最後は梁義智が死球を受け、サヨナラ押し出し。午後7時開始の試合は同10時21分に終了。3時間21分の激闘をディフェンディングチャンピオンが、辛くも制した。