女子バスケットボールの札幌山の手高OGトリオ、町田瑠唯(28=富士通)長岡萌映子(27=トヨタ自動車)東藤なな子(20=トヨタ紡織)が30日、1次リーグ第2戦で世界1位の米国に挑む。代表12人のうち最多タイの3人を輩出した同校の札幌山の手高校の上島正光コーチ(77)が、五輪の舞台で躍動する教え子へエールを送った。

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米国に挑む札幌山の手高OGトリオに、上島コーチは活躍を期待する。「初戦と同じ。勝負はやってみないとわからない」。27日の1次リーグ初戦で日本は格上のフランスに74-70で競り勝った。2大会連続出場の町田は11アシスト、長岡は終了間際に試合を決める3点シュートなど11得点。初出場の東藤も5得点で貢献した。「3人とも持ち味を出して頑張っていた」と評価した。

札幌山の手高は10年に町田、長岡を擁し高校全国3冠を達成した。2人には当時から大舞台で活躍する資質があった。上島コーチは「町田は視野が広くて、味方をいかしたパスができる。芯を持っていて、メンタルが強い。世界でも通用する選手」。長岡についても「中学では特別才能は感じなかったが、高校1年ではエース級の存在になっていた。リバウンドが強くて得点能力が高い」と話す。

上島コーチが今大会で注目するのが初出場の東藤だ。「(代表選出は)正直驚いた。実力は確かだが、次回(パリ)からだと思っていた」と話す。「高校時代は意欲的にバスケットに取り組んでいたのが印象的。しっかり考えたプレーができる」と振り返った。

今大会に3人の代表を輩出した札幌山の手高。上島コーチは「選手の自主性に任せているので、私が特別何かをしたとかはない」というが、「ボールに対する執着心と目先の勝負にこだわるな」と常に伝えてきた。「最後まで諦めずボールを追わないような選手や、目先のことが精いっぱいでは成長しない」。大一番の米国戦。上島コーチは「しっかり考えてプレーしてくれれば」と期待した。【小林憲治】