プロボクシング3階級制覇王者の兄が、前回メダリストを連覇して五輪メダルに王手をかけた。

男子フライ級2回戦で田中亮明(27=岐阜・中京高教)が、16年リオデジャネイロ五輪銅メダリストの胡建関(中国)に3-1で判定勝ちを収め、8月3日の準々決勝に進出した。初回から打ち合いを挑み、胡が額などから出血したため2回途中に試合が終了して判定で勝利を収めた。ボクシングは3位決定戦がないため、次戦に勝てばメダルが決まる。サウスポーの田中は1回戦も前回銀メダリストを撃破していた。

田中の弟は元世界王者の恒成(26)。昨年12月にWBOスーパーフライ級王者の井岡一翔に敗れて4階級制覇は逃したが、プロ12戦でミニマム級、ライトフライ級、フライ級のWBO王座3階級制覇を達成した。弟はプロの道に進んだが、中1からボクシングを始めた田中は、アマチュアで活躍。16年リオデジャネイロ五輪出場を逃したが、東京五輪へ向けて弟にも貴重なアドバイスを受けるなど、より攻撃型にスタイルを変えた。それが本番で効果を発揮している。

田中は弟に続いて、大きな夢をかなえるまで、あと1勝に迫った。