団体総合、個人総合、種目別の決勝進出を懸けた女子予選が行われ、日本は団体総合でミスが目立ち、4種目合計162・662点で8位通過となった。18年世界選手権個人総合2位のエース村上茉愛(24=日体ク)を擁したが、思うように得点を積みあげられず、上位8カ国が進む決勝にギリギリで滑り込んだ。個人では村上が個人総合と床運動で決勝進出した。

   ◇   ◇   ◇

村上はその言葉を口にするのを一瞬ためらった。言いかけて迷ったが、続けた。「振り返りたくないくらい、悲惨なのかな」。エースで主将。責任感の重さを感じながら、この結果はそう言わざるを得なかった。

嫌な予感が的中した。午前10時開始、最初の種目が平均台。体が動きにくい時間に落下の危険が大きい割り当て。午前4時前後の起床を続けて合わせてきたが、「やはり、かなり硬かった」と田中監督。仲間の緊張を感じた村上が緊張をほぐすように声をかけて明るく努めたが、恐れが現実になった。

2番手で演技した杉原が落下。「ポイントゲッターなのにチームに申し訳ない」と悔やんだ。4人が演技して上位3人の得点の合計でチーム得点が決まる。床運動、跳馬と1人の大きなミスはでたが踏ん張り、何とかつないだが、最終4種目目の段違い平行棒では村上、平岩が落ちた。

初代表ながら3種目で最初の演技を任された畠田は「生きた心地がしなかった」と試合後に言った。それから約10時間後、後続の参加国の演技が終わり、最終結果は8位。ギリギリで決勝に進むことになった。「悲惨」。決勝ではその言葉からの巻き返しを期し、64年東京大会以来のメダルを目指す。【阿部健吾】