2連覇を目指した日本が、わずか0・103点差に泣いた。

262・397点を記録し、262・500点のROC(ロシア・オリンピック委員会)に次ぐ銀メダル。そろって初出場の萱和磨(24)、谷川航(24=ともにセントラルスポーツ)、橋本大輝(19=順大)、北園丈琉(18=徳洲会)が健闘した。

橋本が仲間の思いを背負った。

「まず最終演技者として航さんも、和磨さんも、丈流も、ミスなくつないでくれて『最後決めたい』『いい演技をして終わりたい』という気持ちでした。そのためにはメダルの色を気にせずに、演技をしようと思いました」

最終種目の鉄棒。伸身の新月面で着地を決め、仲間と抱き合って喜んだ。萱も夢心地だった。

「この夢の舞台を、まだ終わりたくないという。すごく夢の時間を過ごした。演技自体もやりきれました。やっぱり悔しさもあるんですけれど、チーム日本としては、やるべきことを全員がミスなくできた。すごく価値のあるメダルですし、見ている人たちにも、勇気や感動を、少しでも与えられたんじゃないかなと思います」

前半3種目を終えて2位。中国と僅差で競り合い、ROCの強さを見えた。谷川は「いつもの試合と違う雰囲気だった。特別な試合だったなと思います」と振り返り、最年少の北園は「楽しかったけれど、怖さもあった。この銀メダルは一生忘れない。これからの課題だと思うし、次は金メダルを取るしかない」と力を込めた。

今大会は3大会連続で名を連ねた内村航平を欠いた。それでも気後れすることなく、持てる力を出し切った。橋本の言葉には思いが詰まった。

「航平さんでも1回しか(団体総合で金メダルを)取っていない。僕らが初出場であと0・1点。この0・1点はすごく重みがある。僕だけでなく、他の3人も悔しいと思っている。パリに向かって頑張りたい」

3年後の24年パリ五輪。頂点を目指す旅が、この瞬間に始まった。